楽園の大河

解説

「新聞街の殺人」「蹴球大学」のルー・エイヤースが主演する映画で、原作はベン・ルシアン・バーマンの筆になる小説、それを新人レイ・ドリルが映画脚本に改作し、台詞をつけ「蹴球大学]「ビッグ・マネー」のラッセル・マックが監督に当たったもの、助演者は「サアド・アラアム 警笛間を衝く」のアニタ、ルイズ、「赤新聞」「悪魔が跳び出す」のハリー・ベレスフォード、「陽炎の春」「陽気な中尉さん」のエリザベス・パターソン、「禁酒天国」「掠奪者」のスリム・サマーヴィル、アルフ・P・ジェームズなどでカメラは「仮の塒」のチャールズ・スチュマーが担任。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:Heaven on Earth

ストーリー

ミシシッピイ河を往来の小型汽船の船長リリーにはステーツという息子があって同じ河上に水先案内として働いていた。汽船の航路に当たる沿岸の一部にシャンティ・タウンと呼ばれる場所があってここにはムサ苦しい船を棲み家とする人間が集落をなして住んでいた。汽船乗組員とこの子舟の人間とは日頃から中が悪かった。今日も水を隔てて口論しているうち気早やなステーツはサムというシャンティ・タウンの集落の村人を射撃して傷を負わせてしまう。心配して手ステーツは様子を見に上陸したが、その時彼はサムから自分はシャンティ・タウンの生まれであることを教えられる。そしてリリー船長は実の親でなくステーツがまだ幼いころ、実父を殺害してリリーが彼を養子として浚って行ったものであることを知った。何も知らずに育っただけにステーツの驚きは大きかった。彼はリリー船長を憎むと共に蒸気船から降りてシャンティ・タウンの人間となった。ステーツはヴァージイ伯母さんの小舟に乗り込むこととなった。ヴァージイ伯母さんの家へ手伝いに来る娘でトウヘッドという可愛い娘がいたが、これとステーシは恋仲となる。しかし少年時代を永く過ごしただけにステーツには蒸気船の生活が恋しくて耐えられなかった。見かねたトウヘッドは以前ステーツが可愛がっていた犬をひそかに盗み出してきた。ステーツに返るよう説きに来たリリー船長は彼が愛犬といるのを見て犬泥棒だといった。ステーツはヴァージイ伯母さんからトウヘッドと結婚すように勧められたが聞こうともせず自分の棲家である舟を作りはじめた。舟を繋ぐために防波堤を作ったが、リリー船長はこれのために破洲ができると言って汽船を衝きあて破壊しようとする。折柄ステーツの住居を飾りつけに行ったトウヘッドはこれがために怪我をする。ステーツは急激な熱情からトウヘッドと結婚しようとす。ところがステーツは船長の一言から感化院へ入れられることになる。が一夜襲撃したシャンティ集落民によってステーツは解放される。怒り狂ったステーツは短銃を手にリリー船長を殺すと言って出かける。近くの町からこの時シャンティ集落焼討の一隊が押しかけてきた。危険を感じたシャンティ集落の民は折柄の長雨で増水した河中へ各自小舟を操って乗り出した。一方ステーツは汽船に乗ったもののリリー船長を殺す機会が見つからない。とかくするうち愛人トウヘッドやヴァージー伯母さんの乗り込む小舟が危険だという知らせが来る。彼等の小舟が奔流に押し流されているのを見たステーツは矢庭に身を躍らせて水中に飛びこみ小舟に泳ぎ着いた。リリー船長がサーチライトで暗の河上をさがした時ステーツたちの小舟は堤防の一部に向かって進んでいる。そのままにしておけば小舟は激突して木っ端微塵になるよりほかない。危険を感じたリリー船長は日頃からの憎しみを忘れて汽船に速力をかけ小舟に追いつこうと努力する。小舟と汽船は平行して走って行った。そして堤防に当たるわずか数間のところでリリー船長は死地に望んでいるステーツ、トウヘッド、ヴァージー伯母さんの3人を救うことが出来た。その夜リリー船長の働きは明け方までにシャンティ集落の民の命を数知れず助けた。このことがあってから汽船と小舟の人々の間の贈悪は夢のように消え去った。そしてステーツは再び憧れの水先案内に立帰り、トウヘッドと睦まじく暮らした。

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