烙印なき男

劇場公開日:

解説

西部劇小説家ゼーン・グレイの原作を脚色したもの。ナチュラマとは、シネマスコープ発祥の地フランスのアナモーフィック・システムを、モークレール博士他の研究により一歩進めた改良型でシネマスコープと比べて遥かに粒子が小さいのが特徴とされ、音響はシネマスコープと同じ、スクリーンの縦横比は1対2.35である。製作、監督はジョセフ・ケイン、脚色は「戦う雷鳥軍団」のケーネス・ガメットとヴァロン・スコットが担当している。主演は「重役室」のバーバラ・スタンウィック、バリー・サリヴァン、(舞台では「ケイン号の反乱に対する軍事裁判」)と「大砂塵」のスコット・ブラディ。

1956年製作/アメリカ
原題または英題:The Marverick Queen
配給:リパブリック・NCC
劇場公開日:1956年5月5日

ストーリー

19世紀後半。ワイオミングの牧場町ロック・スプリングスにあるホテル“荒野の女王”の魅力的な女持主キット・バニオン(バーバラ・スタンウィック)は南北戦争の破戒と混乱の中から生まれ出た美わしくも艶めかしい仇花であった。彼女はヴァージニアに大きな荘園を持つ由緒ある家に生れたが戦火で家族全部と財産を失い、ワイオミングに流れてきて、“荒野の女王”の持ち主となり、不法な大金を稼いでロック・スプリングスの町の大半を手中に収めていた。彼女の勢力が余りに強大なので“ワイルド・パンチ”という無法者の自治味がホテルを溜り場にしていても保安官はどうすることもできない。キットはその一味のサンダンス(スコット・ブラディ)を情夫にしていたが、そろそろ飽きはじめてきた時、ジェフ・ヤング(バリー・サリヴァン)と名乗る背の高い、やせてはいるが旅で鍛えた体格のよい男が彼女の前に姿を現わした。“荒野の女王”のバーで、ポーカーがこじれていさかいになった際、ジャフを殺そうとしたサンダンスをジェフが素早く防いだのを見て以来、彼女はジェフの虜となってしまった。キットは1杯飲もうと彼を誘った。彼女は、ジェフの本名がジェフ・ヤンガーといい、ジェーシー・ジェームズの仲間の悪名高いヤンガー兄弟の甥に当たること、スティルウォーター監獄の臭い飯を3年間食べてきたばかりであることを聞いて悪事の手先に使うことにした。ジェフはホテルのカード係になる。彼は美しい牧場主のルーシー・リー(メアリー・マーフィーー)が“ワイルド・パンチ”一味が牛を盗むのを防いでくれと申し出たのを断る。というのはロック・スプリングスに来る途中一味が牛を奪おうとしているところを救ったからだった。間もなくキットが企てた5万ドルの列車強盗でジェフの働きが抜群だったので山の中の一味の本拠で首領のキャシディからお賞めにあずかるが、ルーシーの牧場で働いているキットのスパイ、ジェイミーから、あの夜妨害した覆面の男がジェフであったという情報がキットの耳に入った。しかしキットはこのことをキャシディには隠し、彼をかばっていた。彼女は列車強盗に彼を加えたことを後悔し、一味になることをやめてこの地を去り、正業につくように促したが、ジェフはそれを無視した。ところがサンダンスは山道でキットを殺そうとし果たさず、傷ついてルーシー・リーの牧場へ逃げのびジェイミーに隠れ家を求めたところ彼はルーシー・リーを捕えて本拠へ連れていき、キャシディにジェフの正体を明かした。一方、サンダンスに襲われたキットは激しい闘いの末、崖の麓に倒れた彼を残してロック・スプリングスへ帰ってみると、保安官が待っていて、町に残っていた“ワイルド・パンチ”一味は一掃され“荒野の女王”の地位は消え失せ6時間以内にこの町を去るように忠告される。またヤンガー兄弟と一緒に写った写真を持つ本物のジェフ・ヤンガーが現われた。これを知って直に本拠へとって返し、ジェフとルーシー・リーを殺そうとしたキットは殺され、ルーシーと重傷を負ったジェフは保安官の率いる自警団に救われ、ルーシーとジェフは新しい未来に向かって第1歩を踏みだすのだった。

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