夜の囁き
解説
「生娘二人入用」「恋愛受難」と同じくアルフレッド・イー・グリーン氏の監督作品で、「近代恋愛ごっこ」「猿は語る」と同じくオリーヴ・ポーデン嬢の主演するものである。原作はアーサー・ソマース・トーチ氏の小説でそれをフィリップ・クライン氏が潤色したものにより、マリオン・オース女史が脚色の筆を執った。ポーデン嬢の相手役は「イット」「明眸罪あり」のアントニオ・モレノ氏で、そのほか「愛はひとすじ」のベン・バード氏やドリス・ロイド嬢、コーネリアス・キーフ氏、等も主演している。
1927年製作/アメリカ
原題または英題:Come to My House
ストーリー
ジョーン・センチュリーはニューヨークの名家でかつ金持ちの家に生まれた。両親なきあと彼女は無限の富を自由にしわがままに生き育って来た。彼女の後見役たるルネ・バートンは彼女を己が弟のダグラス・ベルと結婚させようとし、あらゆる手段を駆使して彼女を説得した。そして近くいよいよジョーンとベルとの結婚の式が挙げられる事になった。その頃のこと、バートン夫妻の主催する夜会でジョーンは女嫌いとして知られている建築家のフロイド・ベニンクスと近づきになった。ペニングスは一目見て忽ちジョーンに恋し、その夜、己が家に彼女を誘った。ジョーンは何の気なしに彼の家を訪れ、そして幾時間かを過ごした。その時、ペニングスは己が切なる恋情を打ち明けた。この情景を窓越しに眺めたのが悪新聞者のトレイラーで、その翌日彼はジョーンを脅迫して金をゆすった。ジョーンはペニングスを訪れて事情を告げ救いを求めた。ペニングスは世間の疑惑を解くために結婚を希望したがジョーンが拒んだので、ペニングスはトレイラーに会い、争った挙げ句彼を射殺してしまった。ペニングスは殺人罪に問われ公判に附せられたが、ジョーンの証言で正当防衛の故を以て免訴となった。その後、ダグラスは再びジョーンを社交界に戻し迎えんとしたが、彼女を受け入れるべく社会は余りに冷酷であった。しかし、一人ペニングスの温かい心だけは、以前と変わりなく彼女を迎えるべく待っていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アルフレッド・E・グリーン
- 脚本
- フィリップ・クライン
- 脚色
- マリオン・オース
- 原作
- アーサー・ソマーズ・ローシェ
- 撮影
- ジョセフ・オーガスト