陽気なママさん

解説

「結婚双紙」「天使の顔」のノーマ・シアラーが主演する映画で、ラシェル・クロザースの筆になれる舞台劇から「ビッグ・ハウス」「有頂天時代(1930)」のフランセス・マリオンが脚色し台詞を付し「結婚双紙」「天使の顔」のロバート・レナードが監督した。助演者は「愛欲の人魚」「ドラモンド大尉」のロッド・ラ・ロック、「アンナ・クリスティ」のマリー・ドレッスラー、「マダムX」のレイモンド・ハケット、「キートンの決死隊」のサリー・アイラース、ヘッダ・ホッパー、ギルバート・エメリーその他で撮影は「結婚双紙」のノアバート・プロディンが担当。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:Let Us Be Gay

ストーリー

キティーはいわゆる世話女房式の女で夫ボブとの間の2人の幼児を育てることに専心努力している。にも関わらず夫のボブはどちらかと言えば家庭をよそに面白おかしく世渡りしようという男、とどのつまりがお定まりの別れ話に到達する。さて離婚後3年の月日がたつ。ボブは相変わらず若い女にチヤホヤされて日を送っているが別れたキティーと子供の身の上を思うと心はさすがに寂しい。そのキティーはどうしているかというと、これがまた一念発起、海を越えて花のパリで流行学の研究、衣裳から化粧法の粋を極めてイット100パーセントの女になって帰国する。ここにブウシコー夫人という大金持ちの年寄りの女がいる。自分が年寄りであると思われることが嫌いでいつも若い連中と交わって若い気でいる。ここへ集まるモダンガール、モダンボーイの1人がキティーと別れたボブ、これにブウシコー夫人の孫娘のディアヌが狙いをかける。ところがディアヌにはブルースという許嫁があってこれとぜひめあわせたいと考えているブウシコー夫人はボブとディアヌとの仲のいいのが気に食わない。そこでパリで近づきになったキティーを呼んでボブの心を惑かそうと思いついた。離婚後3年ボブとキティーは図らずもここに再開する。しかし人々の手前そうとは名乗ることが出来ずお互いに初対面を装って交際する。ブウシコー夫人の計画はみごとに的中した。なぜならただでさえキティーが恋しくて成らない所へ見違えるように美しくなった彼女が現れたのだから、もうディアヌのことなんどは眼中になくなってしまったのだ。面白くないのはディアヌである。キティーの出現以来急に冷たくなったポップを恨んで種々駄々をこねるのをブウシコー夫人は内心喜んで見ている。ボブとキティーの仲を知らない他の男連中は我こそ中原の鹿を獲んものとキティーを目がけている。キティーもそれぞれ巧みにあしらってそらさない。その中でも一番熱心なのはタウンレイと呼ぶ紳士で執念深くキティーに言い寄る。側らボブももとのさやへ収まってくれと頼むがキティーはなかなかきかない。その中いたずら好きのブウシコー夫人はボブとディアヌ及びキティーとタウンレイがそれぞれ婚約したと発表する。それに対してキティーはタウンレイも自分も1度離婚した経験があり結婚はこりごりだが一緒に地中海のヨット旅行でもしたいと思っていると公表する。キティーが荷造りしているところへボブが来て最後の嘆願をするがキティーは応じない。で、せめて別れの接吻ではと抱擁しているとたん夫人とディアヌが入って来る。ディアヌは気も狂おしくボブの不実を攻める。ボブはやむなくキティーとの関係を打ち明ける。これを聞いたディアヌはボブの面当てにブルースと結婚すると言うので2人の仲はもとどおりとなった。

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