名馬物語
解説
「雨」「世界拳闘王」のウォルター・ヒューストンが主役を勤める映画で、レナード・H・ネーソン作の大衆小説にもとずき「スパイK14号」のアルバート・ウィリスと共同して脚色し「地方検事」「スパイK14号」のジョージ・アーチェンボードが監督に当たり、「肉弾鬼中隊(1934)」のハロルド・ウェンストロムが撮影した。助演俳優は「若草物語(1933)」「濡れた拳銃」のフランセス・ディーを始め、「恋の手ほどき(1933)」のミナ・ゴンベル、「ケンネル殺人事件」のフランク・コンロイ、ラルフ・レムレー、G・パット・コリンズ等である。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:Keep'Em Rolling
ストーリー
ベニー・ウォルシュは有能な兵士であったが性質が極めて頑固であった。彼はヴァージニア州マイヤー城塞に勤務していたが。女の事や酒の事で何度も罰に会い、1兵卒から軍曹の間を往復していた。その所に軍馬としてロドニーがやってきた。ロドニーは決して名馬では無く、貴族的でない普通の馬であったが、誰の命令も聞かず、大勢をてこずせた。所がベニーが扱う様になると、意気が全く違い、ロドニーは最も従順な馬になった。ベニーもまた心掛けを入れ換えて極めて規律正しい兵士となる。ディーン大佐はロドニーが改善されたのを見て、自分の乗用にする。ベニーは愛馬と離れて失望落胆し、再び許の生活に戻る。が間もなく大佐もロドニーの抗し難い事を悟り、ベニーに返す。ベニーにもロドニーにも幸福な日が続く。欧州対戦が突発し、ロドニーもベニーも戦地へ出る。連隊が危険に迫ったとき、ロドニーとベニーは勇敢に沼澤地へ進出し、重砲を繰り出して連合軍の運命を有利に展開させる。彼らは司令官から表彰される。平和になって間もなく、ベニーも馬も老いを感じるようになる。ジェームス・パーカー少佐という能率研究家はこの事に気がついていた。彼はロドニーを廃馬にしようとする。ベニーは、ロドニーが殺される事を知り、馬と一緒に脱走して補縛される。そのとき、ディーン大佐の娘マージョリーはこの話を知り、自分の婚約者パーカー少佐が人情を解せぬ命令を発ししようとしているのに腹を立て、父大佐に懇願する。この結果、万事は円満におさまる。即ちロドニーは軍隊が一生涯飼うことにきまり、ベニーはその飼育係に任命される。