恋愛受難
解説
「生娘二人入り用」と同じくアルフレッド・E・グリーン氏の監督作品出ある。原作はジャック・ベシア氏で、それをフィリップ・クライン氏が映画用に改作したものから、グレアム・ベイカー氏が脚本の筆を執った。主役は「サンライズ」「タイタニック」出演のジョージ・オプライエン氏と「女ラッフルズ」「ドン・ファン(1926)」出演のエステル・テイラー嬢との二人で、それを助けて「幽霊船」「3悪人」のトム・サンチ氏、「暴力団(1928)」のサム・ド・グラッス氏、「バラウー」のリーラ・ハイアムス嬢等が出演している。
1928年製作/アメリカ
原題または英題:Honor Bound
ストーリー
ジョン・オグルトリーとエヴリンとは幼友達として彼女が結婚生活に入った後までも変わらぬ親友として交際し、ジョンは何くれとなくエヴリンの力となっていた。然しエヴリンは耐えかねてジョンの許へ助けを求めに走った。夫は彼女の跡を追いジョンと衝突して自らのピストルで倒れた。この時、ジョンはエヴリンの名誉を救うために殺人の罪を被り獄に下った。三年の後、エヴリンはアラモサの炭鉱主ポール・モーティマーの妻となっていたが折にふれジョンの事を思い出すと、ジョンが気の毒でならなかった。そして時あらば彼の恩に報いようと思っていた。その時、モーティマー所有の炭鉱では、囚人労働が法によって許される事となり、多くの囚人が牢獄からここへ移されて働く事となった。エヴリンはモーティマーの力を利用しジョンを炭鉱へと移し、そして己の運転手として彼を辛い労働から救おうとしたが、彼女の心尽くしはまたもやモーティマーの嫉妬を招く事となり、その苦心の甲斐もなかった。エヴリンとジョンの仲を疑ったモーティマー監視人「ブラット」ケラーに命じてジョンを数百尺の地下へと送り、石炭の採掘に当たらしめ、事あるごとに彼を虐使せしめた。石炭病院の看護婦マルセ・リッチーはジョンに同情した。それはやがてセルマとジョンとを恋によって結びつける緒となった。その内に炭鉱主の囚人に対する残虐が盆々つのり、一方それに伴って不穏の気がこの炭鉱にひろがって来た。そうした時、炭鉱の囚人部屋に原因不明の火事が起こった。囚人達は或る期間までに戻るという条件で一時解放せられた。この時、セルマはジョンに知事の元に走って無実の罪を立証し放免を乞へとすすめた。ジョンの訴えを聞いた知事は事件の真相を再検シ、ジョンの無罪なる事を知った。その上、モーティマー、ケラー達を囚人虐待のかどによって懲罰に附した。ジョンは数年振りてはれやかな日が立ち返って来た。彼は此処で愛するセルマと結婚した。そして二人は新しい人生の1ページにと足を踏み入れたのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アルフレッド・E・グリーン
- 脚本
- グラハム・ベイカー
- 脚色
- フィリップ・クライン
- 原作
- ジャック・ベシア
- 撮影
- ジョセフ・オーガスト