ミックスの再起
解説
無声映画時代に鳴らしたトム・ミックルが初めて主演するトーキーで、ストオリイはマクス・ブランドの筆になるもの、それをイサドア・バーンスタインが脚色し、「野蕃な紳士」「爆笑世界行脚」のベン・ストロフが監督し、「曠野に叫ぶ(1930)」のダニエル・B・クラークがクランクした。助演者は「女学生の日記」のクローディア・デル、「大西洋横断」のアール・フォックス、「摩天楼の悲劇」のスタンリー・フィールズ、ザス・ピッツ、フランシス・フォード等。
1932年製作/アメリカ
原題または英題:Destry Rides Again
ストーリー
トム・デストリーは西部切っての馬術の達人で射撃にかけても並ぶ者がいないほどの腕を持つ若者だった。ある時、彼の経営する馬社会社の車が山賊の一隊に襲われたので早速駆けつけ得意の投縄で山賊共を懲らしめた。彼はこれを単なる鼠賊の仕業と思い気にもかけなかったが何ぞ知らん、実はこれはトムの名を傷つけんとする悪人たちの奸計であった。当時トムは村のチェリフの職権をも持っていたので彼ら悪人ばらはこうしてトムの信用を失墜せしめ次回選挙に落選させようという魂胆から企んだ仕事だった。そしてその首魁こそはトムの共同経営者ブレントだった。しかしそんな裏面を少しも知らぬトムは事件後もブランドを信じていた。第一の計画が失敗に終わったのでブレント一味は更に第二段の計画に移った。彼らはある時しめしあわせて怪我人を慥えトムを加害者にしてもらい牢にぶち込んでしまった。始めて自分が罠にかけられたことを知ったトムは地団太踏んで悔しがったが、すでに後の祭り、最早どうすることも出来なかった。けれども牢にひかれながらトムは胸中ふかく復讐を誓った。トムが無実の罪を知る者は彼の恋人サリーだけだった。サリーは父と二人でトムの釈放を願い出たが聞き入れられなかった。やがて一年の月日がすぎた。トムはようやく許されることになった。トム釈放の知らせを聞いて驚いたのは悪人一味であった。が、牢から出たトムは表面敵意を隠して悪人の首魁をつきとめるべく苦心した。トムに好意をよせている一少年の助けによりついに彼はブレントこそ憎むべき黒幕であることを知った。怒りに燃えたトムはブレントの行方をたずねた。そして彼は恋人サリーに言い寄るブレントを発見した。激闘数刻ブレントはトムのために完膚なきまで打ち据えられた。かくてトムは罪晴れ愛人を相抱いた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ベン・ストロフ
- 脚色
- イサドア・バーンスタイン
- 原作
- マックス・ブランド
- 撮影
- ダニエル・B・クラーク