幻の女(1944)

解説

「レベッカ」の脚色者ジョーン・ハリソンの製作になる1944年度作品でウィリアム・アイリッシュの同名の探偵小説から、バーナード・C・ショーエンフェルドが脚色、「容疑者(1944)」のロバート・シオドマクが監督に当たった。撮影は「ドン・ファンの冒険」のウディ・ブレデル、音楽は「夜の悪魔」のハンス・J・サルター。「熱砂の秘密」のフランチョット・トーン、「駆潜艇K-225」のエラ・レインズ、「目撃者(1936)」のアラン・カーティスを中心に「星は輝く」のトーマス・ゴメス、フェイ・ヘレム、アウロラらが助演する。

1944年製作/アメリカ
原題または英題:Phantom Lady

ストーリー

妻と言い争ってアパートを飛び出したスコット・ヘンダーソン(アラン・カーティス)はバーで異様な帽子を冠った若い女(フェイ・ヘレム)と会い、名も名乗り合わずにショーを見物しに行き、ひとりアパートに戻ると妻が絞殺されていた。警部バージェス(トーマス・ゴメス)は反証のないまま彼を検挙し、すべての証人はその夜ヘンダーソンが1人でいたと証言したので、彼は死刑の宣告を受けた。彼の秘書キャロル・リッチマン(エラ・レインズ)は帽子の女さえ探し出せばヘンダーソンの無罪が証明されると、各所を飛びまわって証拠を集めた。バージェス警部もこれを助けたが、真犯人であるヘンダーソンの親友ジャック・マーロウ(フランショット・トーン)は彼女を援助するとみせかけながら常に先回りして証拠を消して回った。キャロルは、帽子の主がアン・テリーという狂女であることをつきとめ、マーロウと共にそれを獲得しに出かけたが、帰途、彼女は始めてマーロウの狂的な本性を知り、危機一髪のところで、急をきいて駆け付けたバージェスに救われた。マーロウは天才の妄想を抱いたまま自滅し、キャロルは晴れてヘンダーソンと結婚することになった。

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