幻に戦きつつ

解説

マラヴィーン・トムプスンの原作になる戯曲をオルガ・リンク・スクールが脚色し、「シーバの女王」「ネロ」「ダビデ物語」等と同じくジJ・ゴードン・エドワーズが監督した。主役は「神を信ぜざる人々」主演のバーバラ・キャッスルトンと、「サロメ(1918)」出演のアルバート・ロスコーで、ニューヨーク劇団の人気俳優レイモンド・ブルーマーも出演する。神秘味豊かな社界劇である。

1924年製作/アメリカ
原題または英題:The Net

ストーリー

アレインはブルース・ノーマンと、伯父の不承知をも退けて結婚した。ブルースは放蕩児で、夫婦の間に男の子が生れる頃には家を外に放蕩にふけり、遂には以前の情婦を家に入れようとしたので、アレインは子を連れて別居する。数年の後、ブルースはアレインと彼女の従弟の家で面会した時、ノーマン家の財産分譲を迫り、従弟と争って彼を殺す。この刹那見慣れぬ男が玄関口からよろめき込んできた。彼は意識を失って我が名さえも忘れ果てていたのでブルースはこの無名の男を自分の身代わりとし、我が罪をその男にかぶせて逃れさった。その男はブルース・ノーマンとして捕えられる。我が子の将来を思ってアレインは沈黙を守っていた。当局は犯人の意識回復を待ったが、効果が空しいので、彼をアレインの家へ送った。表面夫としてこの見知らぬ男と同棲せねばならなかったアレインはただ当惑に暮れるのみであった。世を忍ぶ不安と恐怖に半狂乱となった真のブルースは隠れ家から逃れんとして惨死し、真犯人が彼であったことが立証された。過去の記憶を失い、無実の罪に苦しんだこの男は、次第に意識を回復するにつれて、アレインに対する犠牲的心情が顕著になった。そして遂にアレインも彼の前に全てを捧げるときが来た。

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