桃色の店(街角)のレビュー・感想・評価
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クラシックなロマンスコメディでした
アメリカ国立フィルム登録簿作品です。
ユーガットメールはこの作品の再作だそうですが、採点3点つけただけで内容もまるで覚えていない印象激薄でしたが、オリジナル版はさすがルビッチ親分、きびきびした演技の応酬を軽快に演出してメリハリもクッキリスッキリ、ホロッとするシーンも過剰過ぎずにサラリと処理して好感度満点の作品になりました。
ルビッチならどうする?
わが敬愛する名匠ビリー・ワイルダーの師匠にあたるエルンスト・ルビッチ監督の作品の中でも「極楽特急」と並んで最も好きな作品です。雑貨屋の店員が長年文通している名も知らない相手は、同じ雑貨屋のライバル女性店員だった・・・"ソフィスティケイテッド(洗練された)・コメディ''という言葉は最近あまり使われませんが、その第一人者であるルビッチ監督のユーモアや優しさが全編にあふれており、まるでフランク・キャプラ監督作品を観てるみたいな気分にさせられます。後年トム・ハンクス&メグ・ライアン主演でリメイクされましたが、この作品には遠く及ばぬ出来でした。
人間関係をコメディで表している。
悪気のないコメディでゲラゲラ笑ってみた。1940年の映画であるが、なぜ、ブダペストと字幕で出る
が、ここをなぜこの映画の舞台に設定したんだろう。第二次世界大戦中でハンガリーをなぜ選んだのだろう。映画は全部英語でハンガリー語なんて誰も話していない。店主、マトチェックが新しい配達員のルーディにブダペストにクリスマスを過ごす家族がいるか聞いたときに使われたのが『ブダペスト』一言だけ。ちょっと気になって調べたが答えは見つからなかった。当時は、舞台をヨーロッパなどにするハリウッド映画が多かったらしい。アメリカの観客にとって、ヨーロッパの人物としてセットした方が、淫らな、ドキッとするような態度に寛大だったと書いてあった。なるほとねえ?!信憑性のある答えかどうかわからないねえ。1939年から戦争は始まっていたから、真実を隠すためのプロパガンダ映画かもしれない。映画では仕事も失業したら他にないというように描かれている。不思議なことがもっとあるだろうが私が気づかないだけ。時代背景を掴まないと、簡単にクリスマス映画だと飛び込んだ私にとって疑問が残る。
一番好きなシーンは前出したが店主、マトチェックがボーナスを渡した後、出口に立っていて店員一人一人に今日はどう過ごすか声をかけていくシーン。浮気していた奥さんとは過ごせないし誰かと過ごしたいと私はすぐ感じた。クリスマスを一人でなにもなく過ごすだろうルーディの肩を抱いて食べ物の名前を次々に言うシーンが好き、金持ちは金のない配達員ルーディを金銭で助ける、配達員は祖父のような存在であり家族のような気分が出せる。でも、二人とも一人という共通でお互いの心を癒せるし、これからもっと親密になっていける。クリスマスは助け合い。
オリジナルをチャレンジ
トム・ハンクスの映画は欠かさずチェックしていたので当時映画館で「ユー・ガット・メール」を観たけど、全く印象に残ってない。なので実はリメイクだったことも覚えていない。今回、ハズレが少ないイメージのジェームズ・スチュアートのDVDが激安で売られていた。 何となく購入したら、本作がオリジナルと後から知って複雑な気持ちになった。これは自分と同じようにつまらなく感じた人が処分した可能性がある、いや、ハズレ少ないしきっと気に入る・・・そしていざ鑑賞!
複雑な話ではないので、手紙相手が誰なのかは早い段階でわかる流れ。
店をクビ~ボスは自殺未遂で病気~共に反省~和解して復職...になるまでの流れが、とにかく話してばかりで心の動きを感じる「間」が少なく感じた印象。気付く場所も店内だから映像的にも面白みがない。橋とかタワーとか洒落た場所だとロマンあるのに・・・。女性を立ち直せるため、わざと手紙を書いた辺りでようやくJ.スチュアートらしい目の動き、いや、心の動きが出てきたから後半は退屈せず観てました。
個人的には、仕事場で気が合わない人とは何故かプライベートでは気が合うのを思い出しました。
結果は
どっち先に観ても、リメイクだろうがオリジナルだろうが、ダメなものはダメであった。どうしても過去の名作って高評価が多い気がしますが、正直なレビューです。御了承ください。
イヴの夜、若い頃のほろ苦い思い出が…
クリスマスに向けて、事件と人間関係が
解決していく映画は数多くあるが、
これもそのひとつだろう。
いかにもキリスト教色の出た作品だ。
この手の話の先駆けであるなら、
鑑賞者が後の時代の私であることは申し訳
ないが、類似の物語が数多くあるためか、
ストーリー自体に新鮮味は感じない。
ルビッチ作品としても「私の殺した男」や
「生きるべきか死ぬべきか」に比較すると
切れ味が今ひとつだ。
また、クリスマスハッピーエンド物
としても、フランク・キャプラの
「素晴らしき哉、人生!」には及ばない。
余談ながら、
妻とクリスマスを過ごせないオーナーが
付き合える社員を探すシーンに、
私の若い頃、当時の勤務先の営業所長が
クリスマス・イヴの夜に
「彼女のいない奴は飲みに連れていって
やるぞ」と声を掛けてもらい
御馳走様になったことを懐かしくも、
ほろ苦い思い出として甦った。
リメイクという作業を見せてもらいました
リメイク版に対して泣いて抗議されているレビューがあったので、どんなものかとかえって興味津々。
感想を結論から書けば、リメイク版と言われるメグ・ライアンの「ユー・ガット・メール」は、リメイクというよりはヒントやアイデアをもらったという感じではないかな?
新:旧の比較は、まあこれもありかなぁと思いました。新作がそこまで否定されることもないかと。
旧作=本作では、これは意外なのですが、お互いに手紙を書くシーンが一回も(本当にただの一回も)出てきません。彼女のほうが届いた手紙を読む場面が一回きりあるだけ。
これでは手紙という媒体が間を取り持って、二人の男女がお互いに見知らぬ相手に信頼し、失業の不安も支え合い、そして夢中になっていく、その様子を表現するのはちょーっと無理な気が(汗)
それ故、匿名の文通相手が実は喧嘩友だちの同僚だった!という感動も、旧作では弱くてダメです。観客はおいてけぼりになるのです。
昔の映画はこれで良かったのかもしれませんが。
もし、二人が無我夢中でお互いに手紙を書き、山のような手紙を毎日受けとるシーンが織り込まれていたのなら、それは旧作の勝利は疑いないですが、肝心のそこが無しですからね・・
リメイク版はその決定的な不足分を十分に補っています。
両方観ることによって二つの映画は補完し合いますね。
キャスティングでは、
横暴なワンマン店主と、つっけんどんな店員のジェームズ・スチュワートがミックスされて新作のトム・ハンクスという人物になっているという改編も発見できたりして感心。
今回の鑑賞は「リメイクという作業」を面白く見せてもらった体験でした。
新:旧は、ストーリー的にも、脚本・編集的にも、一長一短。引き分けだと思いました。
両方ご覧になることをオススメします。
(手紙魔、手紙フリークの きりん)
ユー・ガット・メールの古典版。
ユー・ガット・メールの古典、ですね。
こちらの方が、寄り内容が濃く、コメディにも味があり、新鮮な雰囲気がありましたね。
いろんな分野でリメイクも納得。
観てよかった!
細やかな心遣い
この映画を観て思うのは、やっぱりルビッチの映画は、細やかな心遣いの映画なんだなってことでした。ほんとうに細やかな仕掛けや小道具を生かし切っているし、それらがフワッと観ているこちらの心を持ち上げてくれている気がします。この作品で言えば、シガーボックスとか、百貨店の売り物の箱たちとか、鍵とか。あ、あとはスーツとかね。
うーむ、この辺にルビッチの映画の根底的な面白さがあるのではないかと、私、にらんでますよー。
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