「人生の希望を描いた作品だが、『ショーシャンクの空に』と比較するといまひとつ」暴力脱獄 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
人生の希望を描いた作品だが、『ショーシャンクの空に』と比較するといまひとつ
刑務所に入るような人間は、人生に希望を持てない荒んだ気持ちの者が多いはずだ。彼らに対する刑罰も、彼らの更生という点では大きな意味を持たない気がする。なぜなら刑罰で彼らの抱える根本的な問題は解決しないからだ。ルークはそういった多くの囚人達とは異なり、周囲の人間に希望を与えられる大きな存在だった。彼が刑務所に来たことで、周囲の囚人達も人生捨てたもんじゃないと思えたはずだ。そういった人生の希望を描いた作品だと思う。
ただ、映画の出来はあまりよく無い。周囲の人間に希望を与えられるような大きな人間のルークが、なんでパーキングメーターのいたずらのような、しょうもない理由で捕まるのか分からない。大したエピソードも無いのに、彼が周囲に認められる過程の描き方もいまいちだ。だからストーリーに深みが出ない。脱獄のシーンも緊張感が無い。
同じような映画だと『ショーシャンクの空に』がある。こちらは主人公が元銀行員ということで、その税金の知識を活かして看守を味方につけたり、図書館の創設に尽力して囚人達全体の文化的水準を向上させたりしているように、周囲に認められる理由が明確に描かれている。また、脱獄のシーンもさり気ない伏線があって面白い。今作はその点を比較するといまひとつだ。
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