「【”アイツはいつでもどんな状況でも笑っていた。”抑えきれない、反権力、反体制の姿勢を貫く男の生き様を描いた作品。】」暴力脱獄 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”アイツはいつでもどんな状況でも笑っていた。”抑えきれない、反権力、反体制の姿勢を貫く男の生き様を描いた作品。】
ー 現代は、「COOL HAND LUKE」であるが、邦題のインパクトが凄い。-
■軍曹迄なりながら、軍を辞めた時には一兵卒だった男ルーク(ポール・ニューマン)は酔っ払ってパーキングメーターを壊して収監される。
彼は牢名主ドラグライン(ジョージ・ケネディ)を筆頭とした癖のある囚人たちの中、ドラグラインとボクシングでフラフラになるまで戦っても、決して根を上げないし、ポーカーではブラフで澄ました顔で勝つし、ゆで卵食いの掛けで50個も食べたりする不思議な魅力で、皆を引き付ける男になっていく。
看守に目を付けられた彼は、彼を愛した母が死んだことを理由に独房に入れられたり過酷な仕打ちを受けるが、彼はそれに抗うように彼は繰り返し脱獄を図る。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・不思議なテイストの映画である。陰惨になりがちなテーマで物語は進むが、何処か明るい雰囲気が漂うのである。
それは、ラストに示されるポール・ニューマン演じる、反権力、反体制の姿勢を貫く男ルークの爽やかな笑顔である事に気付くのである。
・それは、収監されていた囚人たちも同様で、特に牢名主ドラグラインは、彼に一目置くようになる。
囚人たちは、繰り返し脱獄を繰り返すルークに憧れを抱くようになるのである。
嫌がらせで、食事を大盛にされたルークの皿の上の料理に、次々にスプーンを入れて口にする囚人たち。
・ルークが、看守たちの嫌がらせの末、”改心しました。”と言った時の囚人たちのガッカリした顔も印象的である。だが、それはルーク一流のハッタリであり、彼は再び逃亡するのである。
<ラスト、ルークが牢名主ドラグラインと脱獄し、別れ古びた教会で神に語り掛けるシーンも忘れ難い。
そして、ルークはサングラスを何時も掛けて動物をライフルで撃つ看守に撃たれるのであるが、血だらけのルークを乗せた車はその看守のサングラスを踏みつぶしながら、走り去るのである。勿論、瀕死のルークはあの爽やかな笑みを浮かべているのである。
今作は、抑えきれない、反権力、反体制の姿勢を貫く男の生き様を描いた作品なのである。>