某重大事件

解説

「暴力団(1928)」「カナディアン」等主演のトーマス・ミーアン氏の最初の全発声映画(本邦では音響版提供)で、ハリエット・フォード女史とハーヴェイ・J・オッヒギンス氏、との合作舞台劇を「アンクル・トムス・ケヴィン」のハーヴェイ・シュウ氏が脚色し、「特急黒ダイヤ」「丘に叫ぶ声」のハワード・ブレザートン氏が監督し、「ホィップ」「獄中日記」のジェームズ・ヴァン・ツリース氏が撮影したもの。助演者は、「キング・オブ・キングス(1927)」「医者の秘密」のH・B・ワーナー氏、「愛の曳綱」「闇の巷」のライラ・リー嬢を始め、「モダーン三銃士」「某両断」のジョン・ダーロウ氏「ダミー」「結婚行進曲」のザス・ビッツ嬢。「噂の女」「第七天国(1927)」のグラディス・プロックウェル嬢、「ブリキ帽」のバート・ローチ氏等の良い顔ぶれである。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:The Argyle Case

ストーリー

富豪ジョン・アーガイルは自邸の書斎に於いて新や何者かに銃殺された。嫌疑は先ずアーガイルの養女メエリー・モーガンに掛けられた。というのは、アーガイルの遺言による唯一の財産相続人は彼女であるが、故人は勘当していた息子ブルースと最近和解して遺言状変更の意思があったことが明らかになったためである。事件の解決に名探偵アレクサンダー・ケイトンが招かれる。彼が二人の助手とともに捜査を始めるとアーガイル家の財産管理人の弁護士ハーリーも助力を申し出た。惨劇の行われた書斎の机の中から変造紙幣を発見した、ケイトン探偵はこれがたしかに、クライスラーという者が変造したものに相違ないと看破し、この事件の裏にはクライスラーのいることを信じた。ケントンはメエリーの母親で行方不明になっているネリー・マーシュを新聞広告によって呼び寄せ、彼女がマーティン夫人と名乗って下宿屋を経営していることを知った。ケントンはこの女も事件に関係があることを見て取り、部下に命じて彼女の居室の天井裏に口授蓄音器を密かに取りつけさせた。ケントンの推測は間違いなく、マーティン夫人を訪れたのはハーリーであった。ハーリーこそ紙幣変造犯人のクライスラーの偽名でマーティン婦人は彼の情婦だったのである。2人の会話は口授蓄音器によってレコードされた。ケイトンは事務所にハーリーを呼び寄せそのレコードを回してハーリーにアーガイル殺しの下手人なることを承認せざるを得ざらしめた。彼は自分の素性がばらされそうになったのでアーガイルを殺してしまったのであった。ハーリーはかくて、捕縛され、メエリーのケントンに対する感謝の念は恋とかわったのである。

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