本人出現
解説
「深夜の星」「トップ・ハット」のジンジャー・ロジャースが、「逆間諜」「彩られし女性」のジョージ・ブレントを相手に主演する映画で、原作は「或る夜の出来事」のサミュエル・ホプキンス・アダムスの小説で、それを「トップ・ハット」「うるさき人々」のアラン・スコットが脚色し、「ロバータ」「夢の並木路」のウィリアム・A・サイターが監督にあたり、「野いばら」「雁(かりがね)」のエドワード・クロンジェガーが撮影した。出演者は「虚栄の市(1935)」のアラン・モープレイ、「乱暴選手」のグラント・ミッチェル、「米国の機密室」のサミュエル・S・ハインズ、「運ちゃん武勇伝」のスペンサー・チャータース、「旅烏子供連れ」のルイ・メーソン、ジョン・プレスロウ等である。
1935年製作/アメリカ
原題または英題:In Person
ストーリー
若く美しい映画スター、キャロル・コーリスは常設館のご挨拶出演により大勢の熱狂的なファンに取り囲まれて卒倒してから、群衆恐怖症になってしまった。精神病医シルヴェスター博士の治療を受けて、彼女は名前を変え、変装したりヴェールで顔を包んだりして大騒ぎをしている。ある時彼女はエモリィ・ミューアという青年と知り合い、彼が九かで山の小屋へ行くことを知って、ホンの一面識しかないのを無理に頼んで一緒に連れて行って貰うことにした。山へつくとシルヴェスター博士の内意を受けて来たエモリィは、彼女を下女代わりに散々こき使って、甘やかされたところから起こった神経病を治そうと試みる。彼はキャロルの偽名を本名と信じ、偽装を真の姿だと思っていたが、次の朝計らずも彼女の本当の姿を見たし、また有名な映画女優であることも知った。しかし病気を治すためだと思って飽くまで知らぬ振りをするのはもとより、彼女が自ら本名を打ち明けても断固として認めなかった。その内に彼女の相手俳優ジェイ・ホームスが山小屋を発見して、都会に帰るようにすすめたが、エモリィはキャロルは以前として神経病だと言ってホームスを追い返した。その頃から二人は密かに愛するようになるがお互いにはっきりと木がつかない。彼女はどうしても自分が映画女優であることを證據だてるために、エモリィを誘って付近の町で上映している彼女の主演映画を見に行った。ファンはたちまち彼女を取り巻いてサインを求めて大騒ぎしたが、彼女は何の恐れもなくファンに答えることができた。自分の病がすっかり治ったのを知り、彼女は喜びのあまりそこにいたホームスに接吻した。エモリィは腹を立てて彼女の態度をなじる。キャロルもそれに反発してけんかになりエモリィは都会へ帰ると言い出した。これを知ったので村の娘でキャロルと仲良くなっていたミナで、村役人のトウィングト計って無理やり二人の結婚式を挙げた。エモリィは憤慨して講義したが、内心愛し合っていることとて、それを取り消しはしなかった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・A・サイター
- 脚色
- アラン・スコット
- 原作
- サミュエル・ホプキンス・アダムス
- 製作
- パンドロ・S・バーマン
- 撮影
- エドワード・クロンジェガー
- 音楽
- オスカー・レバント
- ドロシー・フィールズ