ブルースを唄う女

解説

「暴君ネロ(1932)」「三角の月」のクローデット・コルベールが主演する映画でグレイス・パーキンスの原作を「異国の母」のレイノーア・コッフィーと「シナラ」のリン・スターリングが共同脚色し、「419号室の女」「真夜の怪紳士」と同じくアレクサンダー・ホールとジョージ・サムンズが共同監督し、「暴風と処女」のカール・ストラッスが撮影している。助演者は「肉体」のリカルド・コルテス、「お仰いましたわネ」のデビィッド・マナース、「三角の月」のリダ・ロバーティ、「坊やはお休み」のベビイ・レロイ、チャーリー・グレイプウィン、アルバート・コンティなどである。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:Torch Singer

ストーリー

コーラス・ガールのサリイ・トレントは富豪の息子マイケル・ガードナアと恋仲であったが男は彼女を捨てて中国へ旅行に出発してしまった。サリイは金もなく友もなく、やがては母となる身をニューヨークの慈善病院に運んだ。彼女はその病院でドーラという女と友達になり、ドーラはその後1年サリイと赤ん坊の世話をしてやったが、ドーラが失業して西部から来た男と結婚してニューヨークを去ったので、サリイは子供を抱えて寄りべなき身となった。やむなく彼女は赤ん坊をマイケルの実家に引き取ってもらうように交渉したが剣もホロロに追払われて、仕方なく慈善病院の手を経て、今後母としての一切の権利を放棄する約束で手離してしまった。彼女は唄女としてキャバレーに働く決心をした。辛い歳月が過ぎた。彼女は名もミミ・ベントンと改めてブルースの唄女としてブロードウェイの人気を一身に背負うように出世した。彼女の周囲には彼女の関心を得ようとする男たちが集まって来た。その中にラジオ界の大立物トニイ・カミングスがあった。彼は恋の唄を唄うミミにラジオで子守歌を唄わせようとした。この突飛な申し出は彼女の悪戯心を刺激して、ミミは子守歌を放送した。ところがこれが大変な成功で、彼女の許へ多くの子供たちの感謝の手紙が山のように届けられた。その中にサリイとおぼつかない手で署名された手紙があった。ミミの体に眠っていた母性愛がこの名前を見たとき、呼び覚まされた。彼女はもしも自分の子ではないかとこのサリイを訪れて見たが、これは似ても似つかぬ黒人の子供であった。しかし彼女は懸念せず、あらゆる手段をつくして我が子サリイの発見に努力したが、すべて水の泡に帰して自暴自棄となり、酒に悲しみを忘れようとする。そこへ、子供の父たるマイケルが帰って来て、子供の生まれたことを知り、ミミの許を訪れたが、ミミは憤慨してさんざんに彼の無情を罵った。翌日ミミは子供のサリイが発見されたとも報を受取り、トニイに伴われてその番地を訪れた。それはマイケルの邸だった。彼は自分の過ちを謝し、発見したサリイを彼女の腕に抱かせた。かくてミミに初めて幸福が訪れた。トニイは彼女の幸福を見て我が恋をあきらめて去った。

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