ピストル娘

解説

「スウィーティー」「レヴュー結婚」のヘレン・ケーン嬢が主演する映画で、「喝采」「河宿の夜」を脚色したギャレット・フォート氏とチャールズ・ビーハン氏合作のストーリーから「壁の穴(1929)」のピエール・コリングス氏とポール・ジェラード・スミス氏がシナリオを書き「裏町の悲劇」「カナリヤ殺人事件」のマルコム・セント・クレア氏が監督したもの。助演者として「恋の走馬燈」「これぞ天国」のジェームズ・ホール氏、「スヰーテイ」「若き翼」のスチュアート・アーウィン氏、ヴィクター・ムーア氏、フランク・モーガン氏、ロバータ・ロビンソン嬢、アレン・フォレスト氏が出演。キャメラは「ココナッツ」「喝采」のジョージ・フォルシー氏が担当。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:Dangerous Nan McGrew

ストーリー

カナダ西北部に存在するワゴントラックという町に住むベンソン夫人はクリスマスの前祝いとして自宅に宴会をひらいた。集る者は彼女の甥で将来サキソフォン演奏家たらんと志しているユーステース、唄い手としてすでに立派な腕前を持つ彼女の娘クララ、クララと恋中の乗馬警官ポップ、クララに横恋慕しているよた者ゴッドフレイなどであった。丁度その頃このワゴントラック指してやって来る見世物車があった。その見世物の持主はフォスターと言い藝人としては歌のうまいナンがピカ一女優であった。ワゴントラックへゆく道を尋ねたのが縁となって彼等はマルドゥーン及びその一隊と知り合いとなる。ナンが胡散臭いと思ったとおりこの一隊は泥棒連中で町の銀行から金を奪い取って来たところらしく何かひそひそとその獲物の分配法について相談していた。ナンは耳を聳たてて彼等の密談を聞きとった。彼女に聞かれたことを気付いたマルドゥーンはナンを捕らえもし詰らぬことを口走ったら生かしちゃ置かぬぞと脅す。そして追跡の眼から逃れるためマルドゥーンは馬車の中に身を隠すことにする。ナンは喜んで彼を馬車に招じ入れた。マルドゥーンにはそれが何のためだかさっぱり判らなかったが、実は銀行荒しの盗賊を捕えた者に一万ドル進呈というポスターを読んだナンの方では既に一つの企みがあるのであった。やがて見世物がワゴントラックで催された。見物に来たユーステースはすっかりナンの唄いっ振りに陶然となり果ては彼女の言うことなら何でも従うと約束するまでのぼせ上ってしまった。結局見世物は失敗に終ったのでナンとフォスターはユーステースの口添えでベンソン夫人の催すクリスマス大宴会の余興藝人として雇われることになる。そこで馬車に隠れていたマルドゥーンも仕方なくサンタクロースに変装してベンソン家に乗り込んだが彼はそこに乗馬警官のポップを発見し彼に先手を打とうとする。これを見たナンは素早くマルドゥーンの手からピストルを離させポップの危険を救う。縛られたマルドゥーンはユーステースが見張ることになったが間抜けな彼はサキソフォンの演奏を教えてやると欺かれてマルドゥーンの縛を解き、逃げ去られる。だがその翌日の夕刻氷上カーニヴァルに集まって獲物の分配をしようと悪漢どもが打合せしていたのを思い出したナンはポップと諜し合わせてそこへ出向くことにする。カーニヴァルの場所へはマルドゥーンとフォスターが同じ扮装で現われたため悪漢團の方でも間違え騒ぎが持ち上る。そしてナンとフォスターはマルドゥーンを捕えて一万ドル貰う。かくてナンはユーステースを将来の夫と定め、ポップはクララを妻にきめる。一方よた者ゴッドフレイが實は悪漢團長だったことも判明し、フォスターはナンから懸賞金をそっくり貰ってまた新しく見世物を始めることになった。

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