悲恋舞曲

解説

スペインの大詩人カルデロンの名詩にヒントを獲てレノア・コフィー女史が書き下ろした台本により「ダーク・エンゼル(1925)」「熱砂の舞」等と同じくジョージ・フィッツモーリス氏が監督したもので、主役は「夢想の楽園」「ダーク・エンゼル(1925)」と同じくロナルド・コールマン氏とヴィルマ・バンキイ嬢とが演じ、「熱砂の舞」「南北珍勇腕比べ」等出演のモンタギュー・ラヴ氏が適役を勤め、ナタリイ・キングストン嬢、ジョン・ジョージ氏、ラスカ・ウインター嬢等が助演している。

1927年製作/アメリカ
原題または英題:The Night of Love

ストーリー

物語は17世紀のなかば頃、未だ封建諸侯が生殺興奪の権力を持っていた頃のスペインに起こった物語である。とあるジプシーの集落に結婚式が行われているところへ通りかかった領主の公爵ベルナルド・デ・ラ・ガルダは美しい花嫁に目を留め初夜権を行う程に明日は返し遣わすと言い放って花嫁を奪い去った。花婿モンテロは衆寡敵せず掌中の玉を奪われて切歯した。翌日操を守って領主に従わなかった花嫁の亡骸を抱いてモンテロは復讐を誓った。そして彼は公爵所領の荘園その他を掠めては、公爵に虐げられている貧しい人々を賑した。かくて公爵はスランス王の娘マリイ姫を公爵夫人として迎える日は来た。姫君入嫁の持参品にたる実玉や絹物の類はことごとくモンテロのために途中の旅舎で奪われた。政略結婚の犠牲たるマリイは婿の公爵が無残の暴君であることを知って彼を忌み嫌った。豪華な結婚式を挙げて後公爵は花嫁を伴って寝室に来るとそこには多勢の部下と共にモンテロが待ち構えていた。モンテロは過ぎし日の復讐にマリイを掠奪し公爵も共に捕虜として己が根城たる絶壁上の孤城に伴った。卑怯な公爵は初夜権を譲るから命だけは助けてくれと哀願した。モンテロは公爵に七首の刻印を加えて馬の背に縛して返した。マリイは窓から跳び出したが着物がひっかかって危うく助かった。モンテロが彼女を介抱している間に彼は真実姫を恋し始めた。姫の傷も癒えた、ある夜遂に姫もモンテロに真実愛を捧げている自分自身を偽る能わず、月光ほの暗い樹下に2人は相擁して恋を囁き合った。けれども姫は十字架に誓った公爵との結婚を破り得ず公爵の許に帰ると言い張つた。しかし姫の帰城を公爵に決して本心から喜んでは迎えなかった。そして妾ベアトリスを寵愛する公爵は姫の貞操を信ぜず姫をも妾並に取り扱おうとした。そして姫が彼を拒みモンテロに愛を捧げているのを知ると姫を幽閉した。モンテロが姫を救いに単身城内に忍び込んで捕らわれ火刑に処せられんとした時、姫は奇智を以て人々にモンテロを救わせた。そして公爵が群衆に踏殺されたので2人の恋人の愛は許された。

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