姫君と武官
解説
「盛り場の大蜘蛛」「略奪者」のベティー・カンプソン、「都会の女」「情熱のメキシコ」のメアリー・ダンカン、「キング・オブ・ジャズ」「大学行進曲」のジャネット・ロフ、それに「幻の街」「恋の大分水嶺」のアイアン・キースの4人が主演する映画である。原作はルドルフ・ロタール、フリッツ・ゴットワルド両氏作の舞台檄でトム・リードが改作し「煩悩」「踊る人生」のベンジャミン・グレイザーが脚色し「カナリヤ殺人事件」「裏街の悲劇」のマルコム・セント・クレアが監督にあたり、「メトロポリス」「ヴァリエテ」のカメラマンとして知られているカール・フロイントがクランクしている。主役を助けて「流行の寵児」のローレンス・グラン氏、「ラヴ・パレイド」のライオネル・ベルモア、「亭主三拝九拝」のアンドレ・ド・ベランジェが出演する。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:The Boudoir Diplomat
ストーリー
バルカンに存在するモンテヴェルト国とルヴァリア国間の外交関係は頓に緊張してきた際…。ルヴァリアに駐屯するモンテヴェルト国大使はある軍事条約を締結して両国の親善を図ろうとした。しかるにルヴァリアの陸軍大臣クラコーヴィッチはその提案に猛烈に反対してがんとして応ぜず、正に軍事行動を開始せん気勢を示した。おりからモンテヴェルト国大使館に新任のしかも独身の陸軍武官ヴァルミ男爵は祖国のため敢然としてこの衝にあたったが、将を射んとすれば、先ず馬を射よの兵法を以て相手国の陸軍大臣夫人モナに近づき、自分の画を描くに堪能なるを巧みに利用し、みごと美人モナを薬籠中のものとした。また大使夫人ヘレンも彼ヴァルミを憎からず思いはじめた。が、ヴァルミ男爵には既にグレタという婚約者があった。ヴァルミの怪腕はますます冴えてモナを完全に征服してしまった。一方、議会の大勢はその条約が自国に不利なので反対者多く、いよいよ明日の投票で否決の悲運を見ることに傾いた前夜、突如としてクラコーヴィッチ大臣の決心は豹変し、問題の条約は大多数で可決され、さしも紛糾した両国の国交問題も無事解決した。外交と恋の駆け引きに辣腕をふるって勝ち得た大成功はみとめられ、ヴァルミは一躍レリュー大佐に栄転し改めてグレタと結婚した。そこでヴァルミに対して燃やされたヘレンやモナの愛欲の炎が敢果ない終焉を告げねばならなくなったことは言うまでもなかった。任地ペルー指して出発するヴァルミ夫妻を見送る彼女達の旨には尽きぬ恨みが残っていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マルコム・セント・クレア
- 脚色
- トム・リード
- ベンジャミン・グレイザー
- 原作戯曲
- ルドルフ・ルーター
- フリッツ・ゴットワルド
- 撮影
- カール・フロイント