ヒョットコ夫妻

解説

「百万円貰ったら」で夫婦役を勤めたW・C・フィールズとアリソン・スキップワースが主演する喜劇で、パ社脚本部に籍を置いているフランシス・マーティンが処女監督作品としてものした映画である。原作はルパート・ヒューズが書き下ろし、「彼女の用心棒」を脚色したウォルター・デレオンと共同して脚色にあたった。助演者は「坊やはお休み」のベビィ・レロイを始め「渦巻く妖術」のクリフォード・ジョーンズ、「犯罪都市(1931)」のクラレンス・ウィルソン、「ママはパパが好き」のジョージ・バービア、ジャクリーン・ウェルズ、バートン・マクレーン等でカメラは「最後の一人まで(1933)」「森の男(1933)」のベン・F・レイノルズが担当している。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:Tilie and Gus

ストーリー

メリイの父が死ぬと弁護士プラットはその財産を全部横領してしまった上、亡父所有の古い渡り船を良い加減な値で彼女に売り付けようとした。彼女の良人トムは弁護士の行動を疑い、自分でその船が、妻と赤ん坊の“キング”とを養うに役立つか如何かを調査することにした。さて、この財産が整理される前にメリイの伯父ガス夫妻の許へもその報告があった。このとき既に2人は離婚後であったが、その遺産の分け前にありつかんものと思い、サンフランシルコで落ち合い、ダンヒルに至って弁護士に会い、遺産はボロ船1隻でしかもこれが500ドルで売りにでていることを知った。そこで彼らはこの船を1000ドルで売るべく--もちろん500ドルを儲けんと--相談一決。2人は船でメリイとその良人トムと坊やの“キング”に対面するが坊やは俄然ウケてその結果、彼らはたちまちメリイ夫婦の味方となり、打って一丸となってインチキ弁護士をやっつけることとなった。一方、4人の気持ちをイチ早くも見破った彼は悪策を巡らせて水上警察を計らい、船の権利を取り上げて挑戦する。そこでガスも一計を案じ、このボロ船と弁護士の新船「ギーストン」とのスピード競技を申し込みすなわち優勝者が船の権利を獲得ということになる。いよいよ競技の前夜になるとガスは潜水服を着用して水中に潜り敵船をかたくドックに縛り付け、スクリューを外したので協議は断然ボロ船の勝ちとなる予想であったが、スピードを出すため、ボロ船にふさわしからぬボイラーを取付けたため、船はバラバラに壊れ出し、大事な“キング”坊やは水中に落ち、ガスが救助に努める等大騒ぎの内に敵船は追い迫った。ガスはそれにへこたれず最後の手を用いてついに1着となり、弁護士を水中に落として脅かした上、悪事全部を告白させ、横領財産の返却及び代われたボロ船の代わりに新船を買ってメリイ夫婦に渡すことをすべて約束させた。それから、ガスとティリイは鼻歌を唄いながらボートで仲良く町へ帰った。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く