巴里よいとこ

解説

「薮睨みの世界」と同じくラウール・ウォルシュ氏が監督し、ヴ ィクター・マクラグレン氏が主役を演ずる映画で、ウォルシュ氏自ら原作を書き、チャールズ・マッグァーク氏が脚色し、「薮睨みの世界」と同じくウィリアム・K・ウェルズ氏が台詞をつけた。キャメラは「ホリウッド結婚」「ムービートーン・フォーリス」のチャールズ・ヴァン・エンジャー氏がクランクした。新進のフィフィ・ドルセイ嬢と「薮睨みの世界」「つばさ」のエル・ブレンデル氏とが助演する他「ホリウッド・レビュー」のポリー・モーラン嬢、「ツェッペリン倫敦襲撃」のレノックス・ボール氏、ミュージカル・コメディー役者のチャールズ・ジューデルス氏、ジョージ・フォーセット氏、ヨーラ・ダヴリル嬢等が出演している。全発声版9巻、無声版8巻。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:Hot for Paris

ストーリー

パリ近郊のロンシャン大競馬の日のこと、幾万という競馬狂は呼 び物の大懸賞つきのレースに全然想像だにされなかった「ダーク・ジャパン」が第1着を占めたので度胆をぬかれた。パリの馬券元売捌所はこのために大騒ぎをした挙げ句、この勝馬票を持っていて2百万円の賞金を受け取るのは、フランスのルアーブル港と東洋及び南洋諸港とを往復している一帆船「ダイアモンド・ヘッド」号の一等運転士ジョン・パトリック・デュークという男であることが判った。ところがそんなこととは知らないデュークは親友のスウェーデン人アクセル・オルセンに向かってこの前にルアーブル停泊中ある酒場で暴れて家具を破壊したため役人に捕まるかもしれないとこぼしていた。それでパリからデュークに2百万円払うために使者が到着し、ルアーブルの波止場役人が付き添ってダイアモンド・ヘッド号にやってきたのを、逮捕にきた役人と勘違いしてデュークはオルセンと一緒に逃走した。逃げ廻った末彼らは屋根の上に登ったが、そこで偶然フィフィ・デュプレという娘が玉の肌も露な薄物一枚で体操しているのをデュークとオルセンとは熱心に見物した。フィフィはやがて蓄音機をかけて歌い始めたが、そこへ彼女に惚れている男がやってきて嫌がる彼女にむたいな振る舞いをしようとした。義憤に燃えたデュークは空窓から飛び込んで彼女を救った。かくて彼とフィフィとは一目惚れの恋仲となった。その濡れ場の最中にシャルロ・グウゼエがフィフィの姉バベットの結婚式に歌う歌譜を持ってきた。シャルロは大戦中デュークに命を救われたことがあったので二人は再会を悦び合った。フィフィはバベットの結婚式にデュークとオルセンとを招待した。二人はボロボロの自動車に乗って威儀堂々と到着した。村人たちは大勢集まってダンスを始めたので二人も混じって乱痴気騒ぎに興じた。バベットの花婿が少し遅刻して来ると花嫁の姿が見えず、探し廻ると藁積みの中でオルセンとふざけていた。花婿は泣きながらバベットと結婚式を挙げ、馬車に乗って新婚旅行に出掛けた。デュークとフィフィも歌ったりキッスをしたりして楽しんだあげくオルセンと3人でルアーブルに引き返し、フィフィがダンサーとして働いているル・コックドールというキャバレーに行った。デュークとオルセンとはご馳走を食べながらフィフィの歌と踊りとに打ち興じた。フィフィに横恋慕している男がまたもや彼女にキッスを強要しようとしたのでジャズバンドの指揮者をしているシャルロ・グウゼエが制したので腹を立てた件の男は、朝追い出された恨みを晴らそうとデュークにパイを投げつけた。デュークは大立ち回りを始めたのでついにその男も逃げだした。そこへ漸く競馬の賞金200万円をデュークに払おうと追っ掛け歩いていたパリからの使者が辿り着き、賞金をデュークに渡した。デュークはオルセンに裾分けをしてやり、キャバレー全部の人に酒を振る舞った。デュークとフィフィとは婚約をして明日はパリへ行くことに決めたのである。

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