巴里見るべし

解説

「幸運の星」「河(1928)」につぐフランク・ボーゼージ氏の監督作品で、ホーマー・クロイ氏原作の小説から「幸運の星」「熱沙果つるところ」のソニア・レヴィーン女史が脚色し、オーウェン・デイヴィス氏が台詞をつけ、「幸運の星」「地の極みまで」のチェスター・ライオンズ氏と「疑惑晴れて」のアル・ブリック氏が撮影に当たった。主役を演ずるのはその以前「魂の入れ替」「除行幌馬車」及びゴールドウィン映画に出演したウィル・ロジャース氏で、助演者には「評判女候補者」「夢想の犯罪」のアイリーン・リッチ嬢、「巴里よいとこ」のフィフィ・ドルセイ嬢、オーウェン・デイヴィス・ジュニア氏、マーゲリット・チャーチル嬢、イヴァン・レベデフ氏その他が顔を見せている。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:They Had To See Paris

ストーリー

オクラホマのクレアモア町でガレージを経営しているパイク・ピーターの地所から石油が噴出して突如彼は百万長者になった。さてそうなって見ると女房はぜひ巴里見物がしたいと言い出す。パイクの気はすすまなかったが娘のオパルも息子のロスも母親の意見に賛成したのでパイクは無理矢理皆に引っ張られて出立する。パリへ来たピーター夫人は娘を由緒ある素性の人間に委せようと考える。パイクはパイクでパリ市中を見物しているうちにあるカフェーでクローディンという女に鼻毛を読まれ、息子のロスはその仲間の女フルウリーと親しい仲となる。ブリザック公爵を見てこれを娘の配偶者にと決めたピーター夫人はまず一着手として広壮なる邸宅を借入れ大宴会を催す。そして報酬付きの条件で貴族達を招待する。仲でも筆頭の報酬を稼いだのはマイケル大公爵で彼は1千ドルという現金をその場で申し受けた。招待会の夜、礼服を着るのを嫌がったためパイクは出席できなくなったが折角自分から金を出している会なので去るに忍びず物陰から様子を窺っていると逃げ出しかけている大公爵を会う。ここで二人の意気投合し酒を汲み交わすうちに上機嫌となり、ついには甲胄をつけて席上に乗り出す程浮かれてしまう。集まった貴族に反対のある筈なくピーター家も社交的に認められブリザック公爵からいよいよ求婚の段となったが、ブリザックはこの機に乗じて金をせしめようと弁護士をパイクに差し向けて5千万ドルの持参金を要求する。とうとう腹に据えかねたパイクは相手を撃退する。これでピーター夫人の計画も水泡に帰しパイクは邸を飛び出して間借りの身となる。運輸会社で息子のロスに会いフルウリーと同棲していると聞いて意見するがロスはパイクの言葉に従おうとはしない。そこでパイクはロス達と彼らの宿へ行った時、丁度隣に住むクローディンを訪れて一芝居うつ。ロスは驚いて母親のもとへ駆けつけ彼女の怠慢から父親が道楽者になったことを責める。ピーター夫人が息子や娘とパイクの下宿へ行ってみると扉には女を連れて遊山に行った意味の手紙が貼ってある。3人は飛んだ事になったと心配して邸へ帰る。と、遊山に行った筈のパイクが帰国の支度をしている。ようやく自分達の考え違いを悟った3人は父親とオクラホマ指して帰ることになる。彼らの望みは実現しなかったが結局その方が幸福なのであった。

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