巴里選手
解説
「ラヴ・パレイド」「チウインガム行進曲」に次ぐモーリス・シュヴァリエの主演映画で、フランスの劇作家トリスタン・ベルナールの舞台喜劇からヴィンセント・ローレンスが映画劇に改作し、「国境の狼群(1930)」「君恋し」のパーシー・ヒースが潤色し、「放浪の王者(1930)」「最後の歌」のルドヴィヒ・ベンゲルが監督にあたった。主演者を助けて新しく抜擢されたフランセス・ディー、「放浪の王者(1930)」「フウマンチュ博士の秘密」のO・P・ヘギー、「若き翼」「ハニー」のスチュアート・アーウィン、「危険なる楽園」「国境の狼群(1930)」のユージーン・パレット、ドロシー・クリスティーその他が出演している。撮影は「令嬢暴力団」「放浪の王者(1930)」のヘンリー・ジェラードが担任。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:Playboy of Paris
ストーリー
パリのとあるカフェの給仕人であったアルベールはそこの主人の娘イヴォンヌから想われていた。だが気軽な彼はあまりそれに気をとめようとはしなかった。娘の心を知らぬ父親フェリベールはかねてから彼女を誰か金持ちのパリ人に嫁がせようと思っていた。ところがある日自分の使っているアルベールに多額の遺産が舞い込むことを知って、根が欲張りのフェリベールはアルベールがそれを気づかぬうちに20年の雇用契約を結んでしまった。こうしておけば成金になったアルベールが、そんな長い年月の契約を破棄したがって違約金を出すだろうと思ったからである。しかしこの見当はまんまと食い違った。アルベールは遺産をもらうことにきまった後も別に20年契約には不服そうな顔もせず、昼間はフェリべールのカフェに勤め、夜になるとパリ中を遊び歩いた。そして給仕人としての彼は皿を壊すやら、客を立腹させるやら、大乱暴を演じ、かえって主人の方が堪えらなくなって契約を破棄したがるような形勢に陥らした。。一方イヴォンヌはアルベールがあまりに自分の好意を無にしてばかりいるので憤慨し、ある晩、彼が例によって給仕人の身を隠し、市中の某料理店でベランジェールという女と睦まじく会っている目の前へ現れて彼の素性を喋ってしまう。このためベランジェールとイヴォンヌが争いを始め泥酔客などが飛び出してイヴォンヌに戯れたのでアルベールは遂に侠気を出しその男を殴ってしまった。彼はこれが原因で決闘の挑戦をされる。彼は弱ってしまったが今さら追いつかない。しかし当日決闘場に駆つけたイヴォンヌの言葉によって相手はアルベールが給仕人であることを知り、決闘の相手とするには足りずとして取り上げない。この横柄な態度がしゃくにさわったアルベールはいきなり相手の横面を張り飛ばした。そこで決闘は改めて始められようとした。が、この様子に驚いたイヴォンヌが突如気を失ったのでアルベールは決闘はそっちのけで彼女の所に飛んで来た。そしてようやく自分に対するイヴォンヌの愛情の浅くないことを知った彼は体面などを考えていることが馬鹿馬鹿しくなり、決闘をよしにしてしまった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ルドヴィヒ・ベンゲル
- 脚色
- パーシー・ヒース
- 原作
- トリスタン・ベルナール
- 原作戯曲
- ビンセント・ローレンス
- 撮影
- ヘンリー・ジェラード
- 音楽
- レオ・ロビン
- リチャード・ホワイティング
- Newell Chase