蛮婚崇拜

解説

「最後の栄冠」と同じくメアリー・アスター嬢ロイド・ヒューズ氏共演映画でリチャード・コネル氏作の物語をアデレード・ヒールブロン女史が脚色し、監督に昇進したマーヴィン・ルロイ氏が処女作品として監督したものである。助演者は「男見るべからず」「娘新旧両面鏡」のハラム・クーリー氏を始め、ヴァージニア・リー・コービン嬢、マートル・ステッドマン嬢、ジェッド・プラウティー氏等で、主演者アスター嬢の最近作には「僧房に咲く花」「美人国二人行脚」があり、ヒューズ氏は「鴛鴦の歌」「曲者揃い」等にも出演している。

1927年製作/アメリカ
原題または英題:No Place To Go

ストーリー

金持の一人娘サリー・モントゴメアリーと銀行家の息子ヘイドゥン・イートンとは恋仲であった。少くとも男の方ではサリーに夢中になっていた。しかし娘さんはロマンチックな憧れをもっているのでヘイドゥンに対しては余り熱心ではなかった。そして遂にそのロマンチック趣味を満足さすべき機会が来た。彼女はヘイドゥンを伴ってヨットで南洋漫遊に赴いたのである。南海に於いてサリーはすっかり満悦を感じた揚句、遂に婚約者をそそのかして夜中秘かにヨットを脱して島に上陸した。彼らは鑵詰を澤山持参したが鑵切りを忘れたのでひもじい思いをしなければならなかった。蓄音器をも持って来たが腹がへってはダンスをする気にもなれなかった。一方ヨットは出航後若者一人が失綜したことを気付き急據引返してようやく2人を本船に連れ戻った。故郷に帰った2人は結婚式を挙げた。けれども彼らは幸福ではなかった。何故ならば2人は意地づくで家の真中に境界線を引き、各自の領土を守って絶対に相手の領分を犯さぬことを誓って了ったからである。しかしある夜サリーは寝床の傍に大きな食人種の黒人が突立っているのを見て吃驚仰天し、境界線のことも何も忘れてしまって良人の許へ駈けつけた。黒人は往来の向かう側のキャバレエの広告人形が鏡に映ったものだった。しかしこのことがあってから2人の仲は直って睦まじい夫婦生活に入った。

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