春ひらく(1931)

解説

「忍びよる心」「影を売る男」と同じくポール・ルーカスが主役を勤める映画で、エドワード・H・ピープル作の舞台劇に基づいて、「掠奪者」「戦う隊商」のアグネス・ブランド・リーとレイモンド・グリフィスが共同脚色し「龍の娘」のロイド・コリガンが監督し、「沈黙(1931)」「暗黒街に踊る」のチャールズ・ロシャーが撮影した。助演者は「燃ゆる海原」「肉体の叫び」のドロシー・ジョーダン、舞台から来たヴィヴィエン・オスボーン、「陽気な中尉さん」「のんきな伯母さん」のチャールズ・ラグルズ、レニ・ステンゲル、ジョン・ブリーデン、ハロルド・ミンジャー、マージョリー・ゲイトソン等である。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:The Beloved Bachelor

ストーリー

若い彫刻家のマイルク・モルダは二人の芸術家と共同でアパートに大きなスタジオを借りていた。彼はエリノア・ハンターという娘に恋していて近く結婚することになっていた。がエリノアはモデルのジュリイー・ストレスマンを嫉いていた。ジュリーはマイケルの親友の寡婦で、モデルをして幼い娘のミッチと二人暮らしの生計を支えていたのである。ある日のことジュリーは思わぬ怪我をして敢ない最後を遂げた。身よりのない幼児ミッチを孤児院に入れるに忍びず、マイケルは自分がミッチの父親であると取繕って彼女を手元で養育することにした。その話を立ち聞きしていたエリノアは嫉妬を感じていた矢先なので、マイケルは本当にミッチの父親だと誤解して、マイケルと絶縁してしまった。愛人を失ったことは大きな打撃だったがマイケルは可愛いミッチと共に独身で暮した。そして彼が彫刻家としてかなりの名声を得るようになった頃にはミッチも娘盛りとなって美しさは男心を引きつけないではおかぬ位となった。ミッチはしかし若い男達をなんとも思わず、育ての親のマイケルに愛を感じていたが、それと口には出さなかった。マイケルの作品の除幕式の時、永い間遠ざかっていたエリノアが現れた。彼女はマイケルの名声に憧れを感じたのだった。それと知ってか知らずにか、マイケルはエリノアが現在の夫と離婚できれば結婚しようという気になった。マイケルは人妻となっているエリノアを自分のアパートに招待した。ミッチはエリノアに対して嫉妬を押え得なかった。でミッチは後でマイケルに自分の思いを泣きながら訴えた。マイケルはミッチの真意を悟らず、彼女は若いから無分別をしないように戒めた。それに感じてミッチは大学卒業生のジミーと知り合いになった。一方エリノアの夫はマイケルを訪れて正直に自分達夫婦の仲に水をささないでほしと申し入れた。男らしいマイケルは勿論承知したが、淋しくなった彼はミッチを訪れた。がミッチはジミーと親密らしく見えた。マイケルはここでも失望しなければならなかった。しかしミッチはマイケルが自分のものになると確信を得たので、ジミーを去ってマイケルの許へ行ったのである。

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