春ひらく(1930)

解説

「友愛天国」「リリオム」と同じくチャールズ・ファーレル主演映画で、「女給時代」「スコール」のアレクサンダー・コルダが監督したもの。『屠殺者』の作者アリス・デュアー・ミラー原作の物語に基づいて「友愛天国」「空の王者」のホワード・ジェー・グリーンが脚色台詞を担当し、「1930年フォックス・フォリース」「鉄骨エロ騒動」「熱砂果つるところ」のデイヴィッド・レーギンとが撮影した。助演者は「我が心の歌(1930)」のモーリン・オサリヴァン、「リリオム」のH・B・ワーナー、「じゃじゃ馬馴らし(1929)」のジョセフ・カウソーン、バート・ローチ、ルシエン・プリヴァル、ルイズ・クロサー・ヘイル等である。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:The Princess and the Plumber

ストーリー

合衆国暖房装置会社はヨーロッパのダリツィア後援のお城の暖房装置を請け負ったので、副社長ピータースの息子で腕利きの青年技師チャーリーを派遣した。彼がお城の付近で呑気に池に石投げをしていると、通りかかった美しい娘を乗せた馬車の馬に石が当たったので、馬が狂奔し始める。チャーリーが馬を止めてやると娘は礼を述べて、自分はルイズ公女だと名乗る。冗談だと思い込んだ彼は自分はママロネック公だとでたらめを言うとルイズはそれを真に受ける。愛を感じあった2人はダンスなどをして再開を約し別れる。翌日お城で暖房修繕をしているとルイズが出てきたのでチャーリーは本当に公女だったかと驚いたが、ルイズの方では男が公爵はなく鉄管屋だったので柳眉を逆立てて憤慨する。そこへ財政困難のコンラッド公のパリ滞留中お城を借用することとなったアメリカの富豪バジースがお取り巻きをたちどころに死刑に処せられることなどを話す。彼の名を聞くと父さんとは親友だといって自分のお客の1人としてお城に滞在しろと勧める。ルイズはチャーリーを愛しながら行きがかり上他所々々しく振る舞い、パワースのお取り巻きケンパー男爵をわざと親しげな様子を見せた。ある日狩猟が催された時男爵は山小屋でルイズに暴行を加えんとしたが折よくパワーススが来あわせて彼女を救い男爵を懲らしめた。男爵は復讐をってパリへ向かった。数日後ダリツィア公女ルイズ姫とアメリカ富豪パワースとの醜聞がパリ全市を沸き立たせたので、憤ったコンラッド公は娘と結婚するか死んでしまえという手紙をパワースによこした。そして急遽帰国しチャーリーをパワースだと勘違いして結婚を迫ったので、チャーリーはパワースになりすましてルイズと結婚式を上げ、パワースの飛行機で新婚旅行に赴いたのである。

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