母の素顔

解説

「愛の岐路」「南風の恋歌」のケイ・フランシスが主演する映画で、ジョン・モンク・ソーンダースの原作を「海賊ブラッド」のケイシー・ロビンソンが脚色し、「支那ランプの石油」「春の夜明け」のマーヴィン・ルロイが監督にあたり、「運ちゃん武勇伝」のシド・ヒコックスが撮影した。主演のフランシスを助けて「雁(かりがね)」「街の花嫁」のアイアン・ハンター、「泉」「白蛾」のポール・ルーカス、「小さい親分」のシビル・ジェーソン、「海行かば(1935)」のエディ・エイカフ、「シスコ・キッド(1935)」のバートン・マクレーン、ジェシー・ラルフ等が主演している。

1935年製作/アメリカ
原題または英題:I Found Stella Parish

ストーリー

アメリカの舞台女優ステラ・パリッシュは当時ロンドンで最上の人気を持っていた。演出家スティーヴン・ノーマンは彼女を愛して結婚を申し込んだが、ステラは何故かこれを拒み続け、6歳になる一人娘グローリアのため世間に隠れて一軒家を借り、ナナという女にグローリアの世話を見てもらっていた。初日の夜、舞台をすませてステラが楽屋に戻ると、そこに彼女の前夫でグローリアの父親であるクリフトンが来ていて、彼女に金を強請するのであった。彼は以前ステラの一生を台無しにしようとした男で、彼女は娘の将来のため、この男から姿を隠そうと英国に渡ってきたのである。ステラは再び姿を隠した。スティーヴンは残された手紙によって彼女の失踪を知り、友人の新聞記者キイス・ロックリッヂとともに彼女の行方を探した。キイスはステラがアメリカ行きの船に乗ったことを突き止めてその船の乗り込み、航海中グローリアと仲良しになりついにステラに近づいたが、船はニューヨークに着くとステラは彼をまいて姿を消した。しかしキイスはその隠れ家を探し出し、再びグローリアを使って彼女に近づき、ついにステラの過去の秘密を探った。彼女の夫が嫉妬から舞台の相手役を射殺し、罪のない彼女に共犯の名を着せ、グローリアは刑務所で生まれたのであった。この事実を知ったキイスはそれを早速ロンドンの社に打電した。その電報を打って間もなく、キイスは自分を訪れたステラから、彼女が自分を愛していることを聞き、驚いて記事発表を中止させようとしたがもう間に合わなかった。そのため彼女の愛は憎しみに変わり、ステラは子供とナナを欧州にやって自分はついにバーレスクの舞台に身を投じるほどに落ちぶれてしまった。この悲惨な事実に責任を感じたキイスは、自分の過ちを償うためスティーヴンを説得してステラをロンドンに連れ戻させた。こうして彼女は再びロンドンの舞台に返り咲くことになったが、初日の夜、世の非難に打たれて全く自身を失ってしまった。だがそのときステラは客席にグローリアの姿に見て失った自身を取り返し、自分をロンドンへ呼んだのはキイスの努力だとスティーヴンに聞かされて、そのまでのキイスに対する憎しみも再び愛に戻っていくのであった。

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