八月十五夜の茶屋
劇場公開日:1957年1月4日
解説
ヴァーン・スナイダーのベストセラー小説から、「上流社会」のジョン・パトリックが脚色したブロードウェイのヒット劇の映画化。日本においても東京、歌舞伎座で上演され好評を得た。映画化に際してはMGMと大映が提携し、長期日本ロケにより製作された。ジョン・パトリックの脚本から「明日泣く」のダニエル・マンが監督、「悪の対決」のジョン・アルトンが撮影、「上流社会」のソール・チャップリンが音楽を夫々担当。沖縄音楽はカナイ・キクコ、舞踊振付けは、藤間万三哉と日本のスタッフ。主な出演者は「野郎どもと女たち」のマーロン・ブランド、「必殺の一弾」のグレン・フォードに大映の女優京マチ子が主演する他、「オクラホマ!」のエディ・アルバート、舞台で同役を演じたポール・フォード、「六番目の男」のヘンリー・モーガン、日本側から根上淳、清川虹子などが顔をそろえる。なお映画解説者の淀川長治氏も出演している。ジャック・カミングス製作。
1956年製作/123分/アメリカ
原題または英題:The Teahouse of the August Moon
配給:MGM
劇場公開日:1957年1月4日
ストーリー
沖縄の地区占領軍隊長パーディー大佐の許に赴任してきた心理戦争班のフィスビイ大尉(グレン・フォード)は、早速通訳サキニ(マーロン・ブランド)を連れて任地トビキ村に向かった。彼の仕事は民主主義と学制の施行である。村の住民達は、民主主義とはお米に不自由せず、皆が楽しむことと判って大喜び。大尉は救世主に祭り上げられ、彼の前には贈物の山、その中には美しいロータス・ブロッサム(京マチ子)もいた。大尉の意見で村の役員も選ばれた。ロータスは大尉が大変気に入ったが、真面目なフィスビイは驚いて逃げ回るばかり。一方農事主任に選ばれたセイコ青年(根上淳)はロータスに夢中になったが彼女は目もくれない。民主主義の施行はどうやら成功したが、学制の改革はうまくいかず、結局お茶屋を作る事となった。本部への報告がわけのわからないものばかりで、怒った大佐は軍医のマクリーン大尉(エディ・アルバート)を調査に派遣したが、ミイラ取りがミイラになる始末。Bプランはとんでもない方へ進行し、遂に大佐はフィスビイ召還を決意。本国から視察が来るので急いでお茶屋をとりこわす。ロータスは本国へ帰ることとなった大尉に同行を切願、彼にこんこんと諭された末、私にはセイコがいると諦めることに決心がつく。だが本国の視察団は、フィスビイ大尉の施政こそこそ民主主義の鑑と激讃。再びお茶屋は作り直され、8月十五夜村の人達や浴衣姿のフィスビイ大尉、マクリーン大尉、ロータスとセイコの睦まじげな姿も見える。お茶屋の上には、十五夜の満月が上がっていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ダニエル・マン
- 脚色
- ジョン・パトリック
- 原作
- バーン・スナイダー
- 原作戯曲
- ジョン・パトリック
- 原作舞台
- モーリス・エバンス
- 製作
- ジャック・カミングス
- 撮影
- ジョン・アルトン
- 美術
- ウィリアム・A・ホーニング
- エディ・イマズ
- 音楽監修
- ソウル・チャップリン
- 沖縄音楽
- Kikuko Kanai
- 振り付け
- 藤間万三哉