白銀の嶺

劇場公開日:

解説

ジェイムズ・ラムゼイ・ウルマンのベスト・セラー小説「白い塔」をポール・ジャリコが脚色、「窓」のテッド・テズラフが監督した色彩山岳映画1950年作品。撮影は「ネブラスカ魂」のレイ・レナハン、音楽はロイ・ウェッブの担当である。主演は「カルメン(1948)」のグレン・フォード、「第三の男」のアリダ・ヴァリ。以下「汚名」のクロード・レインズ、「ママの思い出」のオスカー・ホモルカ、「タイクーン」のサー・セドリック・ハードウィック、ロイド・ブリッジスらが共演。

1950年製作/98分/アメリカ
原題または英題:The White Tower
配給:RKO日本支社
劇場公開日:1952年7月1日

ストーリー

名アルピニストを父に持つイタリー娘カルラ(ヴァリ)は父が壮途半ばに骨を埋めたアルプスの処女峰「白い塔」をきわめようとして、スイスの小村カンテルマットにやってきた。昔なじみのガイド、アンドレアス(オスカー・ホモルカ)と策を練るうち、征服には6人の人手を要することが判った。かくて、戦時中この地に落下傘で不時着し、戦後虚脱の心をここで休めているアメリカ人マーティン(グレン・フォード)、ドイツ登山家ハイン(ロイド・ブリッジス)、イギリスの老地質学者ラドクリフ(サー・セドリック・ハードウィック)、フランスののんだくれ文士ポール(クロード・レインズ)がようやく集められて――この性格・国籍の全く異なる一行が未踏の高峰に足を踏み出した。途中、ラドクリフがまず落伍し、アンドレアスが送り返している間に、ハインは約束を破ってポールと先発してしまった。マーティンはカルラにプロポーズをはじめる一幕もあって、その夜一行がキャンプで落ち合ったときには、マーティンとハインの間にはとげとげしい感情が生まれた。翌朝、一行は泥酔したポールを残して登山を続け、更に一夜がすぎたが、この夜の猛吹雪でポールは谷に呑まれてしまった。ハインは他を出し抜いて1人頂上をきわめようとキャンプを脱出、憤激したマーティンはカルラの止めるのも振り切って彼を追い、最後の絶壁で追い付いた。しかし協力を拒むハインは、マーティンの救いの手も振り切って足を踏み外し、雪崩と共に消え失せた。マーティンは這うように頂上へ進んだが、日除眼鏡をつけなかったために一時的に失明して倒れた。頂上を眼前に望みながらカルラは宿望も捨て、アンドレアスと共にマーティンを抱いて下山した。数日後、病の癒えたマーティンとカルラが、結婚のためカンテルマットを去っていくのがみられた。

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