呪われし青春
解説
『サニー』『ローズマリー』その他のミュージカル・コメディーの作家オスカー・ハマースタイン二世が同方面の作家シグモンド・ロンバーグと共同して書き下ろしたミュージカル・ロマンスで、「エロ大行進」「ジャズ・シンガー(1927)」のアラン・クロスランドが監督し「歓楽地帯」「某重大事件」のジェームズ・ヴァン・ツリースが撮影した。主演者はニューヨークミュージカル・コメディーの花形ヴィヴィエン・シーガル、「恋の花園」「浮気成り金」のアレクサンダー・グレイ、「ジョアンの嘆き」にかつて出演したバリトーンのウォルター・ピジョンで、「アビーの白薔薇」のジーン・ハーショルト、「浮気成り金」のバート・ローチ及びルイズ・ファゼンダ、「流行の寵児」のアリス・デイ等が助演している。
1931年製作/アメリカ
原題または英題:Viennese Nights
ストーリー
少年時代から仲良しの友達だったオットとフランツとガスとは揃いも揃って音楽好きであったが成人すると維納に出て軍隊へ入る。男爵の令息たるフランツはたちまち中尉になり、オットとガスとは軍楽隊の兵卒となった。オットは靴屋の娘エルサに懸想し、巧みに言い寄って公園のカフェにその晩彼女を同行した。そこにはフランツもやって来て、エルサが唄歌う艶姿に心を動かされ無理に彼女をキャバレーへ誘い去った。オットは憤慨したが昔の親友でも今日では上官となり既に交友も耐えているフランツに対して彼は無力であった。しかしエルサはオットを愛し彼の音楽的才能を尊敬していた。エルサへの愛慕はオットのインスピレーションとなり彼は交響曲を作曲しはじめた。フランツとオットとに求婚されたとき、彼女は自分の意思に反して父親の計らいに従わねばならくなって男爵夫人となった。失望したオットは、既に音楽を捨てて金儲けを生涯の目的とするガスと共にアメリカへ赴いた。11年後ガスは相当に成功しているがオットはある劇場のオーケストラの第2堤琴手として働いていた。ある夜男爵夫人のエルサは観劇に来てオットと会い、互いに不幸であることを悟って2人は駆け落ちの約束そした。しかしガスからオットの5歳になる息子が父親を必要とすることを聞きエルサは自分たちの幸福を犠牲にすべきだと考えて、オットとは再び会わないでヨーロッパへ帰ってしまた。それから40年後1930年70歳となったエルサは孫娘のバーバラが金持ちの婿をとって戦争のために傾いた家産をふやしてくれるように願っていた。ところがバーバラは祖母の意思に反して若いアメリカ人の作曲家に恋をしていた。そして彼の交響楽の初演奏に嫌がる祖母を連れていった。エルサは曲中のメロディーに忘れ得ぬオットの創作を見いだして耳を傾けた。エルサは自分たちが得ることの出来なかった会いと幸福とを孫娘とオットの孫ローレンス・ストームとに享けさせることに喜びを感じた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アラン・クロスランド
- 原作
- シグモンド・ロンバーグ
- オスカー・ハマースタイン2世
- 撮影
- ジェームズ・ヴァン・ツリース
- 編集
- Hal McLaren