肉体の呼ぶ声

解説

「異教徒」のトロシー・ファーナムの原作を、「ホィップ」「青空の覇者」のチャールズ・ブレイビンが監督したもの。俳優は「異教徒」「黎明の剣士」のラモン・ノヴァロが主演し、「黎明の剣士」のドロシー・ジョーダンと、「人罠」「密輸入者の恋」のアーネスト・タレンスが助演している。ルネ・アンドレー、ナンス・オニールも顔を出す。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:Call of the Flesh

ストーリー

ジョアンはセビラの街の歌い手であった。彼と一緒に住んでいた老エステバンは昔はオペラ俳優としてならしたことのある男だった。エステバンはジュアンの音楽的才能に見込みをつけていた。主都マドリッドに連れて行ってジュアンをオペラ俳優に仕上げること、これがエステバンの考えであった。だが、ジュアンの生活は、踊り子のロラを相手の恋の遊戯ではあった。修道院の美しい娘マリアはジュアンの唄い振りに恋心を覚え、ジュアンのもとへ走ったのである。ジュアンもマリアを恋しはじめた。エステバンと3人でマドリッドへ出て、そこで2人は結婚しようと決心する。捨てられたロラは、口惜しかった。マリアの兄は陸軍大尉だ。妹の行方をきくと彼は3人を追ってマドリッドにやって来る。マドリッド。ジュアンは真面目に勉強した。マリアの兄はジュアンと相会う。妹のために諦めてくれと頼まれて心にもない愛想づかしをするジュアンの心はせつなかった。何にも知らぬマリアは悲しんだ。そして再び修道院へ帰って行く。悲しみの極みの中にジュアンは初舞台を踏む。そして歌い、倒れた。ジュアンはオペラで名声をあげ得た。だが、不幸にも病の床にふさねばならなかった。修道院のマリアも同じ悲しさにその日を送っていた。自らの非を知ったロラは、修道院の教母に告白して2人を会わせる。ジュアンとマリアとに恵まれた日がやって来た。

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