女房はお徳に候
解説
サミュエル・シップマン氏作の舞台劇を材としてアリス・D・G・ミラー女史が脚色し「深夜の狂乱」「舞姫ニノン」等と同じくロバート・Z・レオナード氏が監督したもので「痴人哀樂」「受難のテス」等出演のコンラッド・ネーゲル氏「愛の決算」「結婚愛」等出演のマーゲリット・ド・ラ・モット嬢「スカラムーシュ」「心なき女性」等出演のルイス・ストーン氏「ボーケール」等出演のポーレット・デュヴァル嬢等が競演し、ルイズ・ファゼンダ嬢、クロード・ギリングウォーター氏等も出演する現代風刺劇である。
1925年製作/アメリカ
原題または英題:Cheaper to Marry
ストーリー
ナイトとテイラーは長い間友達で新たに共同で株式仲買業を始めた。そうしてお互いに無断で結婚した場合には結婚生活の費用に責任を負わない事を約した。ナイトは両親の不幸な結婚生活に鑑みて結婚よりも相互の自由意志による同棲を性的生活の理想とし楽器店の店員エヴァリンとその主義を実行していたがテイラーにも世間にも秘密にしていた。エヴァリンはこの生活を好まなかったけれどもナイトを愛する故に我慢していた。そうして若い作曲家マスタースとの交友により自らを慰めていた。商売繁盛のためにナイトはエヴァリンの住居独身の老銀行家リッドルを饗應し、テイラーやビューラー、フローレンス等も出席した。テイラーはビューラーと結婚する旨を打ち明けたのでナイトもエヴァリンとの関係を告白し、お互いにその生活を保証することになる。リッドルは結婚した方が生活費は安い事を実験上知ったので二人とも結婚するものとして解して資本を融通する。テイラーは結婚したがナイトは従前の生活を続けた。エヴァリンはナイトに棄てられる日に備えるために財政的独立を計算し無暗に金銭を要求した。男の面目上金を出したナイトに遂に最後の日が近付いた。窮局を救うべくテイラーの妻は毛皮や宝石を提供したがエヴァリンは一銭も離さなかった。ナイトは彼女を詐欺で告訴すると脅迫した。彼女はナイトの妻と信じていたマスタースは事実を知って彼女の許を去る。今は金の必要のなくなったエヴァリンは持金全部を返していずこにか立ち去った。妾よりも女房が徳だと始めて知ったナイトの嘆き。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロバート・Z・レオナード
- 脚色
- アリス・D・G・ミラー
- 原作
- サミュエル・シップマン
- 撮影
- アンドレ・バルラティエ