南京豆王子
解説
「南京豆小僧天空の巻」「南京豆小僧競馬の巻」と同じくウィリアム・クラフト氏の監督、グレン・トライオン氏の主演になる喜劇である。ただ、対手役のみは、従来のパシー・ルース・ミラー嬢に代わるに「紅い唇(1928)」「法螺吹き靴屋大当たり」等出演のマリアン・ニクソン嬢を以てしてある。ジャック・フォーリー氏の改作をカール・クルセーダ氏が台本を作成したもので、「深夜の太陽」「翼の輝き」出演のレイモンド・キーン氏、を始めとしてブル・モンタナ氏、レオ・ホワイト氏、チェザーレ・グラヴィナ氏、等が助演している。
1928年製作/アメリカ
原題または英題:How to Handle Women
ストーリー
漫画家のレン・ヒギンスはニューヨークへ行く途中、列車の中で、ニューヨークのさる新聞の婦人記者ビートリスに会い、一目見るが否やぞっこん参って、列車がトンネルに入った暗闇を幸いキッスを盗もうとしてひっ叩かれる。その後ニューヨークに着いたヒギンスは大いに売り出そうと企む中、ヨーロッパヴォルガリア公国の王子が借款のためニューヨークに来たが適当な抵当がないので銀行団から受けつけられず困っているのを知り、これこそ絶好の機会と、知恵袋を絞った結果、ヴォルガリア名産の南京豆を大いに宣伝し、これを資本に銀行から金を借りようと王子に直談判でこのアイデアを売りつけ、自ら王子の身代わりとなり、大々的に南京豆宣伝にとりかかる。何がさて物見高いニューヨークのこと、たちまち大評判になり、新聞記者が殺到する。ヒギンスは王子になりすまして、婦人記者ビートリスを手の内のものとし、借款問題の解決を計ると共に、ビートリスの愛を得ようとしたが、ことなかばに破れそうになり、ここにヒギンス一世一代のきわどい曲芸を演じて、銀行家に見事署名させ、ビートリスと一緒に逃げ出してしまう。あとからは屈強の壮漢がヒギンス待てっと追いかける。陸とはいわず海とはいわず死にものぐるいで逃げたは逃げたが、とうとう進退谷まってつかまってしまい、もうこれまでと観念し、どうでもしてくれと体を投げ出せば、追ってきた連中の曰く「わが社の宣伝部長になって下さい。報酬は望み通り差し上げます。」にさすがのヒギンス、ダアッとなる。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・ジェームズ・クラフト
- 脚本
- ジャック・フォーリー
- 台詞
- カール・クルセーダ
- 撮影
- アーサー・L・トッド