永遠に愛せよ
解説
ジョルジュ・デュモリエの名作「ピーター・イベットソン」の映画化で、「ベンガルの槍騎兵」「久遠の誓い」と同じくヘンリー・ハサウェイが監督、ゲイリー・クーパーが主演する。クーパーとともに「泉」「女性に捧ぐ」のアン・ハーディングが主演し、「春の夜明け」のジョン・ハリデイ、「ゆりかごの唄」のディッキー・ムーア、「ベンガルの槍騎兵」のダグラス・ダンブリル、「キャベツ畑のおばさん」のヴァージニア・ワイドラー、「女装陸戦隊」のアイダ・ルピノ等が助演している。脚色は「久遠の誓い」のヴィンセント・ローレンスと「十字軍」のウォルデマー・ヤングが、原作小説及びジョン・ナサニエル・ラファエルの戯曲を基として当たり更に舞台女優コンスタンス・コリアが加筆しまたジョン・ミーハンとエドウィン・ジャスタス・メイヤーが場面を加えた。撮影は「ベンガルの槍騎兵」「ミシシッピ」のチャールズ・ラングの担当である。
1935年製作/88分/アメリカ
原題または英題:Peter Ibbetson
ストーリー
1920年頃の事、パリの郊外で、幼少のゴウゴウとミムシイとは楽しく遊び暮らしていた。ある日、ゴウゴウの母親が死んだ。孤児となったゴウゴウを叔父のフォーサイス大佐が英国から迎えに来た。ゴウゴウの父はフランス人で母は英国人だったが、母方の姓を名乗ってピーター・イベットスンと改め、厳格な叔父の教育を受けた。ピーターは長じて立派な建築家となった。しかし一時もミムシイを忘れた事はなく常に幼い頃の思い出に浸った。しかもミムシイの消息は以前として判らなかった。ある時ピーターは余暇を利用してパリへ遊び思い出多き庭園を訪れた。幼時の記憶も新たに彼は感慨無量だったが、傍らににミムシイのなきを思うと、荒れ果てた庭園と共に思い出も一入悲しかった。ピーターが帰国すると同時にタワース卿から厩舎改築の仕事に抜擢された。彼と公爵夫人は現場で共に暮らす日が多かった。2人の心は日一日と親しさを加えていった。ついに仕事は完成した。しかしピーターは早速帰郷しようとはしなかった。タワース卿は2人の仲を疑い始めた。それが機縁で図らずもピーターと公爵夫人は幼時のゴウゴウとミムシイの成長した姿である事を知った。嬉しかるべき此の再会は不幸にして人妻という名によって相擁する事は許されなかった。その夜ピーターは懐かしさの余り夫人メエリィの部屋を訪れ、相擁して皮肉な運命を泣いた。その時突如現れたタワース卿はピストルをピーターに発砲したが、同時にピーターの投げた椅子に頭を破られて、即死した。ピーターは捕らえられ、無期徒刑を宣告された。暗い獄屋に繋がれた彼はもはやメエリィと語り合う事は出来なかった。ピーターは夢に現れたメエリィの名を連呼し、獄吏鉄鎖にたたかれて瀕死の重傷をおった。人事不肖に陥ったピーターの魂は堅固な鉄扉を脱してメエリィを訪れた。メエリィは2人の愛は未来永久である印に明日指輪を与えると約束した。翌日メエリィから獄屋のピーターの基へ指輪が届けられたとき彼は不思議に蘇生した。そして夜毎夜毎2人のみが知るパラダイスに会い続けた。かくして2人は年老いた。寡婦を守り通したメエリィはピーターの名を呼びながら老いの齢を終わった。その夜ピーターもメエリィの後をおって夜を去った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ヘンリー・ハサウェイ
- 脚本
- コンスタンス・コリアー
- 追加脚本
- ジョン・ミーハン
- エドウィン・ジャスタス・メイヤー
- 脚色
- ビンセント・ローレンス
- ウォルデマー・ヤング
- 原作
- ジョルジュ・デュ・モーリア
- 原作戯曲
- ジョン・ナサニエル・ラファエル
- 製作
- ルイス・D・ライトン
- 撮影
- チャールズ・ラング
- 美術
- ハンス・ドライアー
- ロバート・アッシャー
- 作曲
- エルンスト・トッチ
受賞歴
第8回 アカデミー賞(1936年)
ノミネート
作曲賞 | エルンスト・トッチ |
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