「単純でおおらかで派手なアメリカを楽しめる」トランザム7000 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
単純でおおらかで派手なアメリカを楽しめる
総合75点 ( ストーリー:60点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
初めてこの作品を観たのは小学校の頃だったろうか。テンガロンハットをかぶって胸元をはだけたシャツを着た男臭い色気のあるバート・レイノルズ演じるバンディットが、V8・7000ccエンジン搭載の黒い車体に金色の火の鳥が描かれたポンティアック・ファイアーバード・トランザムを駆る。カントリー音楽が流れて南部の高速道路を疾走する姿がなんともアメリカ的。警察に追われ白煙を上げてスピンターンをしながら州を越えて走るトランザムがとにかくかっこよかった。いかにもアメリカという大らかさと派手さが気に入った。
内容は派手な緩いお馬鹿映画であり、とても高尚なものとは言えない。スタントマン出身のハル・ニーダム監督が、彼の得意分野を生かして車を走らせ追跡しぶつける場面を撮影する。ただそれだけな低能で単純明快なものでくだらないのだが、車はかなり速度が出ているようで迫力もある。それでいてしつこく追跡してくるテキサスの保安官親子がとても緩くて面白い。本来ならばたいした作品だとは思わないところだが、バート・レイノルズとトランザムのせいか、保安官が面白いせいか、私の趣味に合った。個人的にハル・ニーダムとバート・レイノルズを認識した最初の作品でもある。
近所にたまたまトランザムを持っている家があり、ボンネットの上に金色の火の鳥がいるそれがまたかっこよかった。残念ながら未だに運転したこともないままに現在トランザムは生産中止となり、ポンティアックブランド自体も廃止になってしまったので、姉妹者のカマロが復活したけれど今後もトランザムが復活することは恐らくない。しかし今でもトランザムは憧れの車の1つであり、それはこの映画の影響が大きい。