棘の園

解説

「ウィリー・リバー」「愛の曳綱」に次ぐリチャード・バーセルメス氏主演映画で、レックス・ビーチ氏の原作小説から右記2映画と同じくブラッドリー・キング女史脚色、フランク・ロイド氏監督、アーネスト・ホーラー氏撮影になるものである。助演者は「ピンチ・ヒッター」「恋の人形」のコンスタンス・ベネット嬢、「赤い酒」「ヨーロッパ突進」のE・アリン・ウォーレン氏、「ノアの箱船」「北欧の海賊」のアンダース・ランドルフ氏、ミルドレッド・ヴァン・ドーン嬢、バーバラ・レナード嬢、クロード・キング氏、フランク・アルバートソン氏等である。音響版、無声版共に8巻。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:Son of the Gods

ストーリー

聖者の心を心とする中国人リー・インの子サム・リーは米国の或る大学で人気者の学生であった。しかし彼が中国人であることを知ると皆彼から離れて行ってしまう。余りに偏狭な人の心に嫌厭を感じたサムは退学して欧州へ向った。彼はロンドンで小説家のバサーストに会い、中国を背景とした小説を執筆中のバサーストの助手となり、伴われてリヴィエラに赴いて滞在することとなった。折しも欧州漫遊旅行中の米国石鹸王ワグナーの娘アラナは一目見てよりサムに愛着を覚え、やがて2人の間に恋が芽生えた。だが人の心の常なきことを痛感した経験あるサムはアラナの熱烈な愛情にも一抹の不安を覚えるのだった。しかし彼が中国人であることを告げようとして告げ得ないでいるうちに彼等は婚約を交すまでの仲となった。遂にサムが恐れていた日は来た。彼の国籍を知ったアラナは永久にかわらぬと愛を誓った口で、偽り者よ中国人よとサムを罵ったのである。幸福の希望は忽ちにして壞えてしまった。サムの許には更に父危篤の電報が来た。まっ暗い心を抱いてサムは米国へ帰りを急いだ。一方アラナも一時の感情の爆発から熱愛の恋人を失い、自らその非を悔いたが時すでに遅い。果敢ない望みを抱いて彼女も故国アメリカへ向う。愛を失い父を失ったサムは白人を憎悪し呪咀した。アラナは日夜サムを慕って泣いた。失恋の痛苦をまぎらす酒と煙草はアラナの身體を蝕み、彼女は病床に横る身となった。瀕死の病床に彼女の父ワグナーの乞いを容れてサムは見舞いに来た。愛はアラナを救った。その頃サムは自分が白人の子であることを知ったが彼は聖者の如き父リーの子たることを誇りとし白人の世界を侮蔑している。しかし愛は凡てに打勝つ。再び結ばれた2人の愛はその尊い愛であった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く