天使(1937)のレビュー・感想・評価
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天使と過ごす豊潤な90分
私が観た中ではルビッチのベストピクチャーです。
コメディではないですが、ゴージャスで洗練された会話とウィットに富んだ駆け引きが天才的。
ディートリッヒの魅力が炸裂。内心相当焦っているはずなのに、あくまでクールにかつ大胆に仕掛ける。彼女の魅力が100パーセント引き出されています。
マーシャルとダグラスもベストサポート。執事たちのやり取りも洒落ています。
受話器で悟らせるルビッチ・タッチの妙味!
ショットチェンジしないラストも素晴らしい。
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デートリッヒの驚嘆すべき美しさ
デートリッヒ本作主演時36歳
あくまでも細く、姿勢の良い優雅な身のこなしと落ち着きぶり
真っ直ぐに見つめる瞳、意思のはっきりした上品な眉と化粧、気品と知性の溢れる広いひたい
何もかも大人の女性の美そのもの
正にタイトル通り天使そのものだ
上流階級のマダムの役柄になりきっている
彼女でなければ、ここまでの迫真の説得力を産まず、この映画は成立しなかっただろう
それほどの美しさ
有能かつ実績を積み重ね、将来も嘱望される、自己もその自信と自負に溢れている、それほどの男が我を忘れてしまう大人の女とはどんな女なのか?
それは、今写っている美しい顔を見せている、この彼女だ!
そう心から信じられる、その説得力だ
最初から最後まで彼女に目が釘付けになってしまうのだ
そしてまた、タクシーの運転手、花売りの婆さん、執事達の台所のやり取りなど、合間合間に挟まれるウィットシーンも楽しい
ラストシーンは特に秀逸
言葉も顔を見せるのでもなく、歩き去る後ろ姿の演技だけで結論を示す終わり方は、本当に小粋だ
大人の恋、大人の女性の映画そのものだ
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