鉄人対巨人
解説
「男の敵」「二国旗の下に」のヴィクター・マクラグレンが主演する映画で、オーウェン・フランシス作の小説を作者自らルイス・R・フォスター及びバートラム・ミルハウザーと協力脚色し、「大空の地獄」のジョン・G・ブライストーンが監督に当たり、「当たりや勘太」のメリット・B・ガースタッドが撮影した。助演者は「黄金(1936)」のビニー・バーンス、歌手だったウィリアム・ホール、「襤褸と宝石」のジーン・ディクソン、「少年G戦線」のビル・バーラッド及びヘンリー・アーメッタ、「殺人都市」のアン・プレストン、「情無用ッ」のエドワード・ノリスの面々である。
1936年製作/アメリカ
原題または英題:The Magnificent Brute
ストーリー
ビッグ・スティーヴは鉄工場で働くためオーロラの町へやって来た。この町では工場の職工ビル・モーガンが素晴らしい腕力で威勢をふるっている。スティーヴは寡婦のブラッサムの家へ下宿した。彼女には10歳になるピートという子供があり、行く行くは軍人にしようと考えているが、ピートはスティーヴと仲良しになり彼のような職工になる事を夢見ている。スティーヴと一緒に入所した若いハル・ハワードという弱々しい青年がいた。仕事場でもスティーヴは彼を弟のように愛していた。モーガンはスティーヴが来てから彼の勢力が強まるのを憎んだが、さすがの彼もスティーヴの腕力には及ばない。モーガンの恋人にデラという娘がいた。スティーヴはこの女に惚れて、ねだられるままに色んな買い物をしてやる。それを見るとブラッサムは心に嫉妬の念が涌き、いつの間にかスティーヴを愛している事に気づくのだった。スティーヴとモーガンは仕事の上で部下を率いて競争する事になったが、これでもスティーヴの組が勝ち、いよいよ彼の勢力は大きくなるばかりだった。ある日ハワードは疲労から誤って熱鉄の釜に落ちて死んだ。スティーヴは哀れなハワード夫人のため皆から金を集める事になった。町のお祭りの時、スティーヴはレスリングの試合に出場したが、モーガンは審判を買収したためスティーヴは負けてしまう。その上モーガンはデラに勧めて、スティーヴがハワード夫人のために集めた金を賭けさせてしまったので、その金は失われてしまい、スティーヴは町中の人から非難されるに至った。だがブラッサムは彼を信じていた。そしてモーガンとデラが金の事から争っている言葉を聞いて真相を知り、ピートを工場へ使いにやった。ピートは誤って釜の中に落ちたので、スティーヴは危うく彼を救ったが右手に負傷した。彼はブラッサムから話を聞き憤然としてモーガンとデラのところへ駆けつけ、格闘の末左手を使ってモーガンを殴りつけ、取られた金を奪い返しハワード夫人に贈る。間もなくスティーヴはブラッサムと結婚し、ピートを軍人にする事になった。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第9回 アカデミー賞(1937年)
ノミネート
美術賞 |
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