テキサス決死隊(1936)

解説

テキサス州百年祭に因んで作られた映画で、「薔薇は何故紅い」「麦秋」のキング・ヴィダーが原作・監督・製作したもの。脚本は「空飛ぶ悪魔」のルイス・スティーヴンスンが任じた。主演は「丘の一本松」「春を手さぐる」のフレッド・マクマレイと「女学生大行進」「1936年の大放送」のジャック・オーキーで、「幽霊西へ行く」「シーコウヤ」のジーン・パーカーを始め、「片道切符」「無法地獄」のロイド・ノーラン、「航空十三時間」のベニー・バートレット、「星の奇蹟」のエドワード・エリス、エレナ・マルチネス、フランク・シャノン等が助演する。撮影は「野いばら」「旅烏子供連れ」のエドワード・クロンジェガーの担当である。

1936年製作/アメリカ
原題または英題:The Texas Rangers

ストーリー

19世紀の末に米国の中西部を荒らし廻る3人組の強盗があった。ある夜、役人に不意を襲われた3人は身を以て逃れたが、ジムとワフウは仲間のサムとはぐれてしまった。2人はサムが情婦の家へ落ちのびたものと目星をつけてテキサスへやって来た。当時のテキサスは未開の地で、インディアンは絶えず白人を襲撃し、家畜泥棒、銀行や汽車を襲う強盗が横行し、人々は枕を高くして眠る事もできなかった。この暴戻に対抗して人民の生活を保護していたのは「テキサス決死隊」と異名を取った警備隊である。さすがのジムもワフウも勇敢な警備隊の活躍を恐れ、テキサスでは仕事ができなかった。金は無くなり腹は減る。遂に2人は当座の方便として警備隊に志願して採用された。就任早々出動を命じられた2人は偶然家畜泥棒になったサムに会い、ジムとワフウは警備隊の内部から彼を助ける約束をした。隊へ帰る途中2人はインディアンに襲われて両親を殺された少年デイヴィッドを救った。インディアンの暴戻はますますつのり、隊長は大挙彼らを討伐する計画をたて、警備隊は隊伍を組んで出動した。しかし数倍の大軍を敵として決死の奮闘も利あらず、警備隊は隊長、ジム、ワフウ、その他数人の残して全滅し、今は援軍を待つばかりであった。その時ジムはインディアンの重囲を突破し急を援軍に告げみごと隊長以下を救った上、インディアンを奥地に撃退することができた。しかし警備隊の敵はインディアンだけではない。キンボール地方にヒギンスという兇族がいて良民を苦しめているという報せがあった。ジムは選ばれて討伐に向かうことになったが、彼の考えはヒギンスを追い払った後へサムを呼んでその地方の豊富な資源を独占するつもりだった。しかしワフウはこれに賛成しなかった。彼はインディアン討伐以来警備隊の勇敢な行動に感激して、悪事から足を洗う決心をしていたのである。単身キンボールに向かったジムの活躍はめざましかった。ヒキンスを投獄し良民から感謝の言葉を浴びてジムの心に漸く正義が蘇った。彼はサムと手を切って、かねて恋仲の隊長の娘アマンダと平和に暮らすことを楽しみに隊へ帰った。ところがヒギンス無き後にサムは悪事の数を重ね「水玉の怪賊」として人々に恐れられにようになった。再びサム討伐の命がジムに下った。ジムの前身を知っている隊長は、こうして彼の本心を試そうとしたのである。ジムは旧友を討つに忍びず命令を辞退して投獄された。彼の代わりにワフウはサムの討伐を志願し、同行をせがむデイヴィッドを連れてサムの隠れ家に向かった。ワフウはサムを欺きデイヴィッドに手紙を持たせて警備隊を呼ぼうとしたが、デイヴィッドはサムの配下に捕らえられワフウはサムのために殺された。彼の死体は馬に乗せられて警備隊に届けられた。ジムは奮然として起こった。隊長に願って出獄を許され、単身サムの隠れ家に乗り込みワフウの仇を討ち、同時に改心の誠を見せたのである。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第9回 アカデミー賞(1937年)

ノミネート

音響録音賞  
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