罪の街

解説

「肉体の道」「最後の命令」に次ぐエミール・ヤニングス氏主演映画で、「暗黒街」「最後の命令」の監督者ジョセフ・フォン・スタンバーグ氏と「第七天国(1927)」の脚色者ベンジャミン・グレイザー氏とが共作した物語をチャンドラー・スプレイグ氏が脚色し、「ホテル・インピリアル」「罪に立つ女」のモーリッツ・スティラー氏がグレイザー氏総指揮の下に監督したものである。助演者は「空行かば」及び来るべき「結婚行進曲」に主演のフェイ・レイ嬢、「三罪人」主演のロシアの女優オルガ・バクラノヴァ嬢である。

1928年製作/アメリカ
原題または英題:The Street of Sin

ストーリー

ロンドン第一の罪悪街、東部のウニコールという無頼漢達が集まる酒場に救世軍の女士官エリザベスは士官スミスと共に、警官の制止をも振りきって伝道のために這入っていった。ところが居合わせた殺人強盗朝飯前の物凄い多勢の無頼漢に散々侮辱され愚弄された。ことに誤って硝子を壊したスミスは謝る暇もなくバッシャー・ビルという荒くれ男につまみ上げられ小突き廻された。その時エリザベスにみつめられているのを感じたビルは乱暴を止めた。エリザベスは優しく血が滲んでいるビルの頬をハンカチで拭いてやった。それは荒みに荒んだビルの心に何かしら犯し難い尊いものとしての印象を深く残さずにはえなかった。ビルは以前は拳闘家だったが商売を止めてからはハーモニー・ロウという長屋の一室にアンニーというヒステリーの淫売女と同棲し、彼女が稼いでくる金を皆捲き上げていた。ビルはまたアイアン・マイク等の仲間と悪事を働いては不正の金品を手に入れていた。こうした無頼の生活を送っているビルもエリザベスに会ってから一種不可思議な妄想にとらわれ彼女の面影を幻に見るのであった。さてウニコール酒場からほうほうの態で逃げだした2人の救世軍士官も到底彼らを救済することは覚束ないと考えたが、せめて子供だけでもと勇気を鼓して救世軍の宿舎を設け、何くれとなく赤ん坊たちの世話をした。それでも尚救世軍に対して乱暴を働くのをやめない無頼漢の中でも、ビルだけはエリザベスの美に魅せられたのか、彼女に宣誓して救世軍の宿舎に泊まることを約した。がその夜はビルは仲間と悪事を働く約束をしていたので変な対面上今更ひきもならずマイク等と共に強盗を働いた。そして帰って来るとビルは一切をエリザベスに告白した。彼女はビルの魂の救われんことを祈った。ビルは深く感じて救世軍のために一身を捧げる決心をした。ところがその翌日嫉妬に狂ったアンニーはエリザベスを罵った揚げ句、夢中で警察へ駈け込みビルとマイクの悪事を告訴してしまった。警官隊がハーモニー・ロウへやって来た時、ビルは捕らえられたが、マイク等は子供を盾に警官達に抵抗せんと試みた。ビルはその暴挙を止めさせようと進み出て狙撃された。そして救世軍の宿舎でエリザベスに抱かれながら「救われる魂の1つ」として永遠の平和な世界へ旅立った。

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