追放の女

解説

「ブロークン・ロー」「南北珍雄腕比べ」出演のヴァージニア・リー・コーピン嬢が主演するもので、ハル・リード氏原作の舞台劇を「恐怖街」「瞳を刺す足」のエニッド・ヒバード女史がエセル・ヒル女史と共同で脚色し、「深夜の薔薇」「ベルス(1926)」と同じくジェームズ・ヤング氏が監督した。助演者は「悪の港」「スピード花嫁」のレイ・ホーラー氏、「ミスター・ウー」「中華街見物」のアンナ・メイ・ウォン嬢、「海のロマンス」「中華街見物」の上山草人氏、エリック・メイン氏、メルポルン・マクドウェル氏、シェルドン・ルイス氏等でキャメラは「虹晴」「明日の結婚」のアーネスト・ミラー氏担当である。

1927年製作/アメリカ
原題または英題:Driven from Home

ストーリー

無一文から百万長者になったヒラリーは社交界に地位を得んと焦慮していたが、彼の妻はそんなことよりも家庭の幸福を望むのでとかく夫婦仲が悪く、彼女は病身で困っていた。ヒラリーは娘のメリーをヴァンダー・クリフという社交界の紳士の手引きで社交界に出そうと試みたが体よく断られたので、遂にヴァンダークリフに財政的な圧迫を加えることによってようやく目的を果たした。美しいメリーの社交界入りは上首尾だったのでヒラリーは娘の婿を探し始めた。彼はメリーが秘書役のヘンリー・エリオットと恋仲であるとは知らず、ヴァンダー・クリフの友人マレヴィニ伯爵に白羽の矢を立てた。父の名誉心の犠牲になることを欲しないメリーはひそかにヘンリーと結婚してしまったが、何も知らぬヒラリーは伯爵と娘との結婚式の準備に夢中になっていた。彼が娘の秘密結婚を知った時の驚愕と憤怒は甚だしく、メリーは放遂されヘンリーは首にされてしまった。ヒラリー夫人の病気は重篤となつた。さすがに我を折ったヒラリーは娘を呼び戻そうとしたが果たさなかった。新婚の若夫婦は所持金を費い果たすとヘンリーは一労働者とならねばならなかった。ところが彼は工事中負傷して働けなくなったので、メリーは生活費を稼ぐために酒場の主人の中国人アアシンを訪ねた。アアシンはメリーの美貌に邪心を起こして彼女を特別室に招じ入れて暴行を加えんとした。彼女が死を賭して抵抗している時その筋の手が入ったが、メリーはアアシンの情婦チョーサンの好意によって秘密の抜け道から逃れ出た。一方ヘンリーは悲観の極自殺を決意していた。そして拳銃の引金に指がかかった刹那メリーが駆け込んで来た。手紙でヘンリーの決意を知ったヒラリーも駈け付け、若い二人の愛と誠とに胸を打たれて、娘夫婦を許すことになったのである。

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