珍戦花嫁争奪
解説
「ヴァリエテ」「神我に二十銭を賜う」等出演のリア・デ・プティ嬢が主演する映画で、スチュアート・N・レイク氏の原作をメルヴィル・ブラウン氏が映画用に書き改めたものから、ジョン・B・クライマー氏が実際の撮影用の台本を作り、それによってメルヴィル・ブラウン氏が「混線脱線スターは誰だ」「薦進デニー」と同様に監督したものである。相手役は「花嫁歓迎」「恋は異なもの」出演のマルコム・マッグレガー氏で、そのほかザス・ピッツ嬢、エディ・グリッボン氏、ジェームズ・マーカス氏などが出演する。
1928年製作/アメリカ
原題または英題:Buck Privates
ストーリー
欧洲大戦が起ったのでジョン・スミスはエール大学を退いて海を越えて出征した。休戦が締結せられた後、彼はライン河畔のドイツの小村落の占領軍に勤務することとなったが、軍隊生活に退屈を感じた彼は早く故国アメリカに帰りたいと思っていた。が、この村の名家の娘アンナと知り合いになって以来というもの彼の考えが一変して来た。しかし運の悪いことにはアンナに恋を打開けるにしては彼のドイツ話というものが覚束ない、又アンナの父親を彼が時もあろうに休戦となる前日に捕虜にしたものである。がその父親は彼の顔を覚えていないので彼は安心した。も一つ彼にとっての都合の悪にことというのは、バッツ軍曹が同様にアンナを恋して、自然2人が恋仇となって白眼み合う様になったからであった。しかしてアンナの女中のフルダがバッツに恋して彼を追い廻わすので、少しはその恋が邪魔されずに済んでもいた。その内にこの村の顔役たちは己れ等の娘がアメリカ軍人と親しくするのに憤慨し、今後軍人と話していた娘は断断髪の憂目に逢わせるとの警告を発した。軍隊もそれに応じ、そうした兵士は軍法議に廻すとの布令を発した。その内にアンナはジョンと真の恋仲となったが、アンナの父親はジョンが己れを捕えた男であることを想出して結婚を拒絶した。しかもバッツがある時アンナに接吻を強要している所を、人々が見付けた。で、アンナの髪は短く切られ、バッツはバッツで軍法会議に廻されることになった。が、上官は若しバッツが、アンナと結婚するならば、彼を軍法会議に廻わすことを止めてやると申し渡した。喜んだのはバッツである。悲しんだのはアンナとジョンである。結婚式の当日、アンナはフルダを己れの身代りとして逃げようとする。ジョンは花嫁姿をしているフルダをアンナだと思って奪い出してサイドカーで逃走する。花嫁を奪われてはと、それをバッツが追う。が、局面は意外に展開して、ジョンとアンナとは結ばれ、一方バッツはフルダと結婚しなければならぬと悲しい運命となってしまった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- メルヴィル・ブラウン
- 脚本
- スチュアート・N・レイク
- メルヴィル・ブラウン
- 台詞
- ジョン・B・クライマー
- 撮影
- ジョン・ステューマー