地の極みまで(1929)

解説

「母ぞよく知る」「気まぐれ娘」と同じくマッジ・ベラミー嬢の主演する映画で、リチャード・ハーディング・デイヴィス氏の小説Exilesを映画化したものである。脚色にはジョン・ストーン氏が当り「のらくら新療法」「与太捕物帳」と同じくウィリアム・ボーディン氏が監督した。ベラミー嬢の対手役は「無頼漢(1928)」のドン・テリー氏が勤めるが、そのほか「血涙の志士」のアール・フォックス氏、「親爺若返る」のアーサー・ストーン氏、マシュー・ベッツ氏、ラムスデン・ヘーア氏も出演する。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:Fugitives

ストーリー

有名なナイトクラブ「黒豚」で歌を唄っているアリス・カロールはこのクラブの持ち主アル・バロウの殺害嫌疑者として捕えられたというのは事件のあったのがアリスがバロウと争論の上解雇せられた直後であったし、バロウの死が発見せられた時、部屋には彼女が煙の出ている短銃を片手にして立っていたからなのであった。地方検事のディック・スターは未だ若くその上ナイトクラブを町から一掃しようとする熱意に燃えていたのでアリスに対し過酷なる論告を下した。その過酷さにアリスの母親は悲しさのあまり息をひきとってしまった。アリスは彼女を慕うジミーの助けをかりて監獄の病院から脱走し、アフリカの植民地まで逃げて行った。その内に鼠と綽名とったスカールという無頼漢が捕まったが端なくもこの男がアル・バロウを殺したのだということがこの男の口から判った。スターは始めて己れのためした過りに気づきアリスを再びもとに立返らしむべく己れもまたアフリカに赴いた。アリスはその地でアール・ランドの開いているカジノの踊子をしていた。ランドもまたこの地に流れてきた男であるが彼こそスカールを雇ってバロウを殺さした男なのである。スターはアリスにあって罪の償いをしようとしたがアリスは一重にスターをしりぞけた。アリスにかねがね思いを寄せていたランドは彼女を得、スターを除くために計を設ける。が、この時、ジミーは己がアリスへのかなわぬ恋をあきらめて、そしてアリスの幸福のために、アリスとスターとのために、己が命を犠牲にして尽くしたのである。この尊き犠牲のお蔭で相擁すことが出来た。

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