父とその子

解説

「拾万ドル玉手箱」と同じくJ・ウォルター・ルーペンが監督したウォーレス・ビアリー主演映画で、ドン・マークィス作の喜劇を劇作家A・E・トーマスが脚色したものである。助演者は「港に異常なし」のユーナ・マイクル、「拾万ドル玉手箱」のエリック・リンデン、「愛と光」のベティー・ファーネス、「銀翼の戦慄」のジュディス・バーレット、「高飛び成層圏」のテッド・ヒーリー、「処女散歩」のジャネット・ビーチャー、「ダイヤモンド・ジム」のジョージ・シドニーその他で、カメラも「拾万ドル玉手箱」と同じくクライド・デ・ヴィナが受持った。

1937年製作/アメリカ
原題または英題:Good Old Soak

ストーリー

未だ禁酒法の解けぬ1932年頃、ニューヨーク近郊のある町に住んでいるクレムは、お人好しではあったが大の酒飲みで、妻マチルダとの間に年頃の子供が二人もあるのに、怠けてばかりいるので一家の生計は豊かではなかった。マチルダは亡父の残した株を持っていた。彼女の従兄である銀行家のウェブスターはマチルダを説服してそれを安く買おうとするが、娘ルーシイの許婚トムが将来株価は高くなると話すので売らないでいた。株式仲買店で働いている息子のクレミイが結婚費用を設けるから、株を売って資金を貸してくれと頼んだときも彼女は応じなかった。クレミイはウェブスターを訪れて店主の金を使い込んだからと窮状を訴え融通を申し込んだところ、意外にも母の株を持ってくれば千四百ドル渡すと唆されたので彼は株を盗み出した。その晩マチルダは娘ルーシイがトムとの結婚を頼んだので、記念の品を与えようとして計らずも株券の紛失を発見し、疑惑の眼はたちまち夫のクレムに注がれた。最初彼はなぜ妻の態度が急に変わったのか判らなかったが、ようやくことの真相を知るに及んでとうとう家出をしなければならなくなった。ところが偶然にクレミイの支払った毛皮の代金千五百ドルの受取証を発見し、金の出所を不思議に思ってその次の日踊り子をしているクレミイの恋人を詰問したので、彼女はクレミイに愛想をつかして絶交を言い渡した。クレミイは父の前にすべてを告白したので父は何事もマチルダには内緒で解決する計画を立て、株の奔騰による莫大な利益をヴェブスターから強制的に取り戻すつもりでいたところ、友人から彼が酒の密売をしていることを聞き込んだので、早速乗り込んでヴェブスターを恐喝し一万ドルを貰い受けた。クレアムはその金を妻の許へ送り、自分は汽車でニューヨークへ出発しようとしていた時、クレミイから事実を聞いたマチルダは子供たちを連れて停車場へ駆けつけクレムを家へ連れ帰った。

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