続フーマンチュー博士

解説

「フーマンチュウ博士の秘密」と同じスタッフ、同じキャストで製作された其続編である。即ち原作者サックス・ローマー氏、脚色者フローレンス・ライアソン女史及びロイド・コリガン氏、監督者ローランド・Ｖ・リー氏、撮影者だけが代って「若き翼」「危険なる楽園」のアーチー・スタウト氏、主役はワーナー・オーランド氏でニール・ハミルトン氏、ジーン・アーサー嬢、Ｏ・Ｐ・ヘギー氏、ウィリアム・オースティン氏が共演すること前編と同じで、駒井哲氏、シェイル・ガードナー氏等が助演している。

1930年製作／アメリカ
原題または英題：The Return of Dr. Fu Manchu

ストーリー

毒を仰いで自殺したフーマンチュウ博士の死體を納めた棺を検視したロンドン警視聴の名探偵長ネイランド・スミスは故人が兇悪な殺人者とはいえ中国の名流の紳士である故を以て解剖に附せず、懇ろに葬うように言い置いて警視聴に引上げた。それを見送ったフーマンチュウの下僕チャンは棺のボタンを押した。フーは冷笑を浮べながら立現れた。彼が仰いだ毒液は一時的に死後強直の状態に陥れるだけで死んで了ったのではなかったのである。一方スミス探偵によって救い出されたジャック・ピートリーとリア・エルタムとは結婚することとなり、ジャックの二人の伯母さん達はその準備に忙殺されていた。いよいよグリーンウッド・タワースの舊邸で結婚式が挙げられる宵となった。フーマンチューの手にかかって最後をとげたジャックの父サー・ジョンの秘書役だったシルヴェスター・ワズワースはフーマンチュウが出現して何もかも滅茶々々にして了いそうだと取越苦労を始めた。皆は馬鹿なことを言うと笑ったが不思議にも彼の怖れは適中し、リアの侍女だった中国婦人ファイ・ルーが殺されて了った。続いてリアを護衛していた探偵の1人が惨殺されリアとアガサ伯母さんとはフーマンチューのために誘拐された。そしてリアを助け度いならジャック1人で荒野に来いと言って来たのでスミス探偵はジャックに変装して出掛けると突如飛行機が飛来して彼を挌し去った。そして廢工場の巣窟へ伴はれたが、スミスは偵察飛行中の航空警官隊に向って合図をすることに成功した。かくて航空警官隊の襲撃を受けたフーマンチュー一味は防ぎ切れず、フーはリアを拐して秘密路から逃れ去った。フーはライムハウスの一倉庫内に巣窟を構え、巧妙なる手段でジャックをおびき寄せた。そこにはリアが囚はれの身となっていた。フーは廢工場で受けた銃弾のため頭部に負傷していて医者であるジャックに手術を頼んだ。ジャックは手術中彼を殺そうと考えたがフーはリアを半睡状態に陥らせてジャックに手術を完成せざるを得ざらしめた。そこへスミスに率いられた警官隊が襲来したが、リアがフーの術中に在るのでスミスは手の下しようがなく、フーは自由放免を要求した。殺人魔フーマンチューは再びスミスの手を逃れようとするのである。スミスは如何にしてフーを捕えるだろうか。