底抜け00の男のレビュー・感想・評価
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底抜け00の男
「底抜け00の男」という無茶苦茶なタイトルが凄い。当時流行っていたショーン・コネリー主演の007シリーズと、ジャン=ポール・ベルモンド主演の男シリーズ(「リオの男 ('64)」、「カトマンズの男 ('65)」)を掛け合わせた題名だ。それはともかく、底抜けシリーズとしては最良と言えるフランク・タシュリン監督作であり、4コマ漫画的な笑い、シュールなギャグに溢れていてなかなか楽しい。共演者も、「底抜け大学教授 ('63)」や「雨に唄えば ('52)」にも出ていたキャスリーン・フリーマン、タシュリン監督作品で、ディック・パウエル、デビー・レイノルズ主演の「奥様は芳紀十七歳 ('54)」に出ていたグレンダ・ファレルといった面白怖いオバチャン女優陣、そしてあのオーソン・ウェルズのマーキュリー劇団の名優で、「市民ケーン ('41)」、「上海から来た女 ('47)」が有名なエヴェレット・スローンが哀れな病院長を演じていたりして、笑わせてくれます。映画の後半は、かなり手が込んだ大掛かりなドタバタのアクションシーンが展開するこの時代には珍しいスラップスティックな笑いに満ちており、これがなかなか快調!丘の上、高台の病院からひたすら坂を斜面を救急車が下るアクション!途中で、ジョン・フォード監督作品に出て来るマイク・マズルキがゲスト出演していたりして。最後のスーパーマーケットのシーンで、走るカートが店内に次々と突っ込み大量の缶詰めが崩れて飛び出すシーンの凄いこと。漫画かアニメの笑いを実写で撮ってしまうタシュリンのセンスが光っています。このクライマックスシーンは、パラマウントならではのスタイルで、ハワード・ホークス監督の傑作「ハタリ!('62)」のラストで、子象たちに追われてスーパーマーケットに逃げ込むヒロインのエルザ・マルチネリとそれを更に追うジョン・ウェインたちのコミカルな笑いと同じセンスだ。この大掛かりなドタバタは、前年に作られたスタンリー・クレイマー製作・監督の「おかしなおかしなおかしな世界 ('63)」の影響だろうか?そう言えば、アメリカの喜劇人を総動員して作られたこの映画にも、ジェリー・ルイスがゲスト出演していた。スペンサー・トレイシーが自分の帽子をジェームズ・ボンドを真似て帽子掛けに投げると外れて、窓から飛び出して道に落ちた帽子を車線変更してワザワザ踏みに来るおかしなドライバーがジェリー・ルイスだった!
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