選手権を目指して
解説
「ダンス・ティーム」「オーバー・ゼ・ヒル」のジェームズ・ダンが主演する映画でチャールズ・ビーハン作の物語とジョン・フランシス・ラーキンの舞台劇によって「浮気合戦」のエルマー・ハリスが脚色して台詞を書き、「ダンス・ティーム」「娘三人」のシドニー・ランフィールドが監督、「天国の一夜」「国際盗賊ホテル」のジョージ・バーンズが撮影に当たった。共演者は「頬は薔薇色」「沈黙(1931)」のペギー・シャノン、「速成成金」「爆笑世界行脚」のスペンサー・トレイシー、「明日は晴れ」のウォルター、・バイロン、「脱走兵」のバート・ハンロン等である。
1932年製作/アメリカ
原題または英題:Society Girl
ストーリー
奇抜なことをやり度がる大金持の娘ジュデェーはある時別荘でボクシング大会を催した。集まったボクシング家の中でミドル級のジョニー・マローンという男っ振りの良い選手に興味を持った彼女は友人のトム・ウォーバートンの中尉を却け、ジョニーのマネージャーたるプリスコ ーの希望に反してジョニーを追い廻した。名流の令嬢に恋されたと思うと悪い気はしないのでジョニーもジュディーの相手をしているうちに彼女を深く想うに至った。かくてジョニーの興味は彼女に集中され、ミドル級ボクシング選手権試合は近まって着たが彼は練習にも気乗りがしなかった。プリスコーは度々忠告したがジョニーは容れない。彼は夜の眼もおちおち眠れず、ある夜の二次というのに彼女に電話をかけようとした。そこへジュディーが自動車でやって来て彼女のアパートへ彼を伴った。ジョニーが朝の五時頃帰るとプリスコ ーは待っていて、遂に二人は喧嘩別れをしてしまったのである。その後二週間ジョニーは練習を投出して彼女と遊び暮らした。彼女の魅惑の虜となったジョニーは結婚を申し込んだ。彼女は気まぐれから「婚約」だけをした。試合の日は来た。練習に遠ざかって酒色に浸っていた彼のコンディションは酷く悪かった。新聞記者はその事情を嗅ぎつけてジョニーに聞いた。うっかり彼が喋ったので赤新聞は千万長者の娘とボクシング家の結婚という大見出しの記事を掲げた。怒ったジュディーはジョニーを近づけない。大喧嘩をなってくだった彼は試合には散々の敗北だった。ジュディーは放送で聞いて彼女が彼を負けさせたことを悔やみ、トムと同行する予定の欧州漫遊も取止めた。プリスコーはジョニーに同情し再び以前の仲に返って、山中の小屋に立籠って練習を始めた。ある日ジュディーは訪れてジョニーに許しを乞うた。彼は彼女を想いながらも腹いせに彼女を罵倒した。彼女も憤慨して帰る途中自動車を電柱に衝突させあてしまった。通りかかったプリスコーが認めて彼女を説いて山小屋へ伴った。正気に返っているジョニーが彼女を迎えたことはもちろんである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- シドニー・ランフィールド
- 脚色
- エルマー・ハリス
- 原作
- チャールズ・ビーハン
- 原作戯曲
- ジョン・フランシス・ラーキン
- 台詞
- エルマー・ハリス
- 撮影
- ジョージ・バーンズ