1936年の大放送
解説
1933年の大放送たる「ラジオは笑う」の姉妹編で、「人生は42から」のウォルター・ディレオン、「ミシシッピ」のソランシス・マーティン、「歓呼の嵐」のラルフ・スペンスの3名が協力して書き卸した脚本からジャック・ミンツが台本を作り、「カレッジ・リズム」「恋と胃袋」のノーマン・トーログが監督に当たり、「ボクは芸人」「カレッジ・リズム」レオ・トーヴァーが撮影した。出演者は「カレッジ・リズム」「野性の叫び(1935)」のジャック・オーキー、「花嫁は泣きました」「恋と胃袋」のバーンズ及びアレン組、「カレッジ・リズム」のリダ・ロバーティ、「影無き男(1934)」のヘンリー・ウォズウォース、英国映画界からきたウェンディー・バリー、「愛の隠れ家」のC・ヘンリー・ゴードン等で、ラジオ場面に特技を見せる人々のうち主なる者は、ビング・クロスビー、カルロス・ガルデル、リヒャルト・タウバー、エセル・マーマン、レイ・ノーブル・バンド等である。なお音楽指揮は「ボエロ」のナサニエル・フィンストン、舞踏指揮は「ルムバ」のレロイ・プリンツ、が各々受け持っている。
1935年製作/アメリカ
原題または英題:The Big Broadcast of 1936
ストーリー
全世界の女性の恋人ロクィンヴァーこれはスパッドとマイリイが頭を練って造り上げた架空の人物で、W・H・Yというささやかな放送局から2人が1人となって「ロクィンヴァー」の放送をし女性ファンの憧れの的となっていた。所が経営がうまくゆかず借金で首が回らない。ジョージ・バーンズが発明した「ラジオ・アイ」というテレヴィジョンとラジオを兼ねた重実な器械が欲しいのだが買う金がない。ラジオ・コンクールにこれを使って25万弗の賞金を取ろうという計画なのである。そこへ現れたのがクレメント島の女王でイソベルというロクィンヴァーのファンである。イソベル女王は放送を聞いてロクィンバーに恋心を覚え、はるばるアメリカにやってきたのだが、来てみるとロクィンヴァーはスパッドとスマイリーの2人なので島に連れ帰って、どっちを夫にするか慎重に決めようというのである。2人は金さえ取れば女王に用はなかったが、女王の計略にかかって島に連れて行かれる。バーンズを騙して取り上げた「ラジオ・アイ」も彼らと共に南海の孤島クレメント島に運ばれた。島にいる家老のゴードニはひそかに女王を慕っていたので、女王が連れてきた男を計略を用いて殺していた。スパッドとスマイリイは女王の秘書スーからこの話を聞いて驚いたが今更どうする事もできない。女王の婿が決まる日が来た。女王が宴席から退いたら婿に決まった男を殺そうというゴードニ一味の計画である。婿はスパッドに決まった。宴果てて女王はもう眠りかかっている。スパッドとスマイリィは「ラジオ・アイ」の力でラジオの芸人を総動員し女王の眼を覚まそうとする。一方「ラジオ・アイ」の威力はクレメント島から2人のS・O・Sを全米国に放送する。このときアメリカでは丁度ラジオ・コンクールが開かれて栄手、役員達は彼らの放送をラジオ・ドラマの放送と信じ、真に迫った演出にすごく感心する。ゴードニは彼らのS・O・Sを看破し、クレメント島にはたちまち正邪争う大活劇が展開された。ただし正義はついに勝った。彼らはコンクールに1等となり、スパッドは女王の腕に、スマイリィはスーの胸にめでたく幸福を見いだしたのである。
スタッフ・キャスト
- 脚本
- ラルフ・スペンス
- ジャック・ミンツ
- 撮影
- レオ・トーバー
- 音楽
- ラルフ・レインジャー
- 作詞
- ラルフ・レインジャー
- 指揮
- ナサニエル・フィンストン
受賞歴
第8回 アカデミー賞(1936年)
ノミネート
ダンス監督賞 | リロイ・プリンツ |
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