好いて好かれて
解説
「世界に告ぐ」「滑れケリー」等と同じくウィリアム・ヘインズ氏主演映画で「新人の天地輝く」「恋人強奪」のジョセフィン・ダン嬢が相手役を勤めるもの。ジョン・マゴワン氏作の舞台撃に基いて「真紅の文字」「熱砂の舞」のフランセス・マリオン女史が脚色し、「友呼ぶ声」「戦艦くろかね号」のジェームズ・クルーズ氏が監督した。助演者は「トロイ情史」「囁く影」のリカルド・コルテス氏を始めニーリー・エドワーズ氏、キャスリーン・クリフォード嬢、シリル・チャドウィック氏等で、撮影は「海洋児クーガン」「英雄時代」のアイラ・モーガン氏が担任している。
1928年製作/アメリカ
原題または英題:Excess Baggage
ストーリー
綱渡り曲芸師のエディー・ケーンは場末の寄席に出て3階の子供たちにトマトを投げ付けられても笑って踊る果敢ない認められない生活をしていた。彼は同じ小屋に出ているダンサーのジミー・ダンとは仲良しであったがダンに雇われているワンサ踊り子の1人エルザ・マッコーオイと恋に落ちて結婚した。2人は楽しい家庭をつくり愛し愛されて暮らしたが、エディーは相変わらず場末の小屋にくすぼっていたが、ふと思いついた命懸けの綱渡りが一流の興行師に認められサンフランシスコの桧舞台に迎えられることになった。しかしそれは彼の愛妻エルザが某映画社のスターのバル・デリッコにその美貌を認められ、彼の相手役として映画に出演することを懇望され夫婦別々に暮らさなければならなくなった悲しい時だった。舞台での良き助手たる妻エルザを失ったエディーは晴の初舞台を失敗して落胆し何処にも出演しないことになった。その間に美しい映画女優エルザ・マッコーイの人気は隆々として上り、バル・デリッコとの艶聞さえ聞こえた。エディーは妻を信じながらもある時彼女と口論し喧嘩別れをしてしまった。そして自暴自棄となり死ぬる覚悟で危うい綱渡りを演じることになった。しかしエルザはエディーを深く愛していたので夫の身を気遣って初日の晩平場に見物に来ていた。そしてエディーがすべるのを躊躇している様を見るや舞台に駆け上がって夫の元気を鼓舞し夫を成功させた。かくて2人は再び愛し合う生活に帰ったのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジェームズ・クルーズ
- 脚本
- フランセス・マリオン
- 原作
- ジョン・マクゴワン
- 撮影
- アイラ・モーガン
- 題字
- ラルフ・スペンス