人生の高度計のレビュー・感想・評価
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キャサリン・ヘプバーン初主演のドロシー・アーズナー監督作品
シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞。
ドロシー・アーズナー監督作品を観るのは6作目。
本作は、「キャサリン・ヘプバーン初主演」という思い入れ映画になりそうな予感あり、観てみたら「やっぱり、ケイトは初主演作から凄い!」と思える映画だった。
以前、キャサリン・ヘプバーン出演作を追いかけていた時があって、殆どの出演作を観たが、本作はその頃「どうやっても見られない作品のひとつ」であった。
キャサリン・ヘプバーン自伝(文庫本の上下2巻)も読んだが、あの演技の凄さの原点がこの映画にあると言ってよい。
ある宴会で「結婚5年以上で浮気していない男」と「20歳以上で恋愛していない女性」を連れてくるゲームが、運命の二人を出会わせることになった。
男は「妻ひとすじのストロング伯爵」(コリン・クライヴ)、女性は「孤高の飛行機操縦士シンシア」(キャサリン・ヘプバーン)が出会って、一緒に彼女が猛スピードで運転する車で飛行場に行って、彼女の操縦する飛行機に二人で乗ることになった。
ストロング伯爵の娘モニカ(ヘレン・チャンドラー)は既婚者ハリーと付き合っていたが、カルロという男に恋愛対象を替える軽い感じの娘。
そんな脇エピソードもありつつ、ストロング伯爵と女性航空操縦士シンシアの恋愛感情も高まっていき、ボートの上で熱烈なキス。
しかし、伯爵にはエレインという妻も娘モニカもいるので不倫の仲。二人は「いけない恋だと分かっていても嬉しい」という描かれ方。
そして、娘モニカも不倫エレインも妊娠して、前者が「望まれる妊娠」であり、後者が「望まれない妊娠」という対比の描き方が素晴らしく、さすがドロシー・アーズナー監督。
衝撃的な結末も含めて、見事な傑作であった。
ドロシー・アーズナー監督の映画は90~100年ぐらい前の作品になるので、フィルムが残っている限り、観続けたい監督である。
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