女性暴君

解説

「ブダペストの動物園」と同じくラスキー作品で「地獄特急」「暴君ネロ(1932)」のエリッサ・ランディが、「闇の口笛」のアーネスト・トルエックス、「お仰いましたわネ」「ミイラ再生」の、デイヴィッド・マナース、「笑う罪人」「沈黙(1931)」のマージョリー・ランボーと共演するもの。ジュリアン・トンプソン作の舞台喜劇に基づいて「快走艇」「キートンの歌劇王」のラルフ・スペンスが脚色して台詞を書き添え、「嵐の国のテス(1932)」「あめりか祭」のソニア・レヴィーンが台本を作製し、ウォルター・ラングが監督に当たり、「嵐の国のテス(1932)」「あめりか祭」のハル・モーアが撮影した。助演者はオリンピック女流水泳選手ヘレン・マジソン、「第一年」のモード・エバーン、「六月十三日の夜」のヘレン・ウェーア、「暴君ネロ(1932)」のフェルディナンド・ゴットシャルク、タイニー・サンドフォード等。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:The Warrior's Husband

ストーリー

紀元前800年、ギリシアが覇を唱えていた頃、さすがのギリシアも攻略することができない国があった。それはボンパスという女権王国で、女王ヒッポリタが女権政治を行い、王妹アンチオープが女軍を指揮して奮戦して外敵の侵入を許さなかった。この女権国では軍人は女で、男は家庭内にあって家事万端を処理するというならわしであった。それは恋愛結婚などの場合には申し込みをするのは女で、男は女の暴力の前に降伏するほかはないという次第であった。ギリシア軍は勇将シシアスのもとにハーキュリーズ、アジャックス、ホーマー等の幕僚を従え、ボンパス国に攻め入った。国難に際して神官のポンポジアは、女王ヒッポリタがサピエンスと結婚しなければ、国礎揺らぐ可しとの神託を宣した。ヒッポリタは国のために好まぬ婿ではあったが我慢して結婚した。ところで王婿となったサピエンスはボンパス国での男権主義者で、女権万能を快からず思い、男権拡張に暗躍している獅子身中の虫であった。ボンパス国の女軍が強いのは、女王ヒッポリタが結んでいる帯に神通力があるためであったが、この秘密を知ったのがギリシア軍のハーキュリーズで、一挙に勝を制するにはまずこの帯を手に入れるに如かずと肝胆を砕いた。女軍の総師たる王妹アンチオープは未婚の美女であったが、胆力腕力ともに秀でて、彼女の婿たる男子はなかった。ところが一日、戦場で彼女はギリシア軍の大将シシアスの颯爽たる男ぶりを見て心を惹かれ、シシアスもまた勇将の妻にはアンチオープの如き女こそふさわしけれと思った。が今は戦い、両軍の大将の一騎打ちが始まった。さすがはシシアスで、彼の剣士としての腕前にはアンチオープは武装解除をするのを余儀なきに至った。シシアスは彼女を陣営に伴い帰って、恋を打ち明けた。恋を語らった経験のない彼女は恥じらうばかりであったが、シシアスはいよいよ喜んだ。さて一方サピエンスは遂にヒッポリタが帯をはずして置いたのを見すまし、隙を見て盗み出してハーキュリーズに渡した。このためギリシア軍と女軍が正面衝突をするや、女軍は闘志なく喜んで捕虜となり、ギリシア兵士に抱かれた。かくて両国に和平条約が締結され、サピエンスはヒッポリータに代わって王座に就き、ボンパス国に号令することとなった。アンチオープがシシアスの妻としてギリシアに赴いた事はいうまでもなかろう。

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